日本の思い出 ~ 築地 Part 2

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真夜中をすぎるとすぐに、大きなトラックが入ってきた。後部ドアが開くと、中にはぎっしりと冷凍されたマグロが入っていた。明朝のセリに出されるのだろう。男たちが、マグロをトラックから引きづり落とすように、降しはじめた。マグロは、大きなアイスキューブのように、床で音をたてて跳ねた。

私はこの様子を、海とトラックの間にある埠頭に立って見ていた。マグロを降ろし終えたのか、ドアを勢いよく閉めると、男がひとりトラックに乗り込んだ。トラックはゆっくりと前進して、その場を去るかと思われた。

ところが‥‥

突然、猛スピードでこっちにバックをしてきた。そして、いきなり急ブレーキを踏むと、大砲を打ったかのような爆音が響いた。運転席のドアが開き、男が降りてきた。後部のドアを開けると、ドアのまわりにはマグロが散乱していた。待ってましたとばかりに、他の男たちがまた、マグロをトラックから降ろし始めた。

どうやら、ブレーキの衝撃を使って、前方にあるマグロをドア近くへ移動させたようだった。あの爆音は、マグロが雪崩れるようにして、後部ドアに激突した音にちがいない。

正直、自分はこの時、なぜトラックがあんな風にバックをしたのか、あの爆音は何だったのかなんて、考える余裕はなかった。ただ、トラックにひかれるのと、東京湾に飛び込むのとでは、どっちがましか?を考えていた。

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日本の思い出 ~ 築地 Part 1

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©William Ash

築地は、生命力とバイタリティーに溢れた場所だ。まわりのオフィス街の影響など、まったく受けていないかのように、自分たちの地場を毅然として保っている。

 

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ふとん太鼓 〜 祝う

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大阪堺市の百舌鳥八幡寓で行われる月見祭りは、長い間、住民の間で守られてきた地域のお祭りだ。9月か10月の満月の週末に行われ、九つの町が参加して、壮麗な九つのふとん太鼓が出る。それぞれの太鼓を担いで練り歩くのには、少なくとも100人以上が必要で、担ぎ手や応援する人々をみていると、住民の繋がりの強さが感じられてくる。

Futon Daiko - William Ash

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熊谷寺, 八番札所—四国遍路

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©William Ash

熊谷寺は、その名前ほど、恐ろしいところではない。むしろのどかなお寺で、小さな谷の端にある。写真の右は本堂、左の階段は大師堂へと続いている。

鐘撞き堂で鐘をつきながら、私たちは、あるアメリカ人夫婦のことを思っていた。まだ遍路道ブームがおこる前の90年代、かれらは遍路道をテントをかついで歩いて巡り、この鐘撞き堂では、住職から許されて一夜を過ごした。そう‥‥、かれらこそ、私たちが遍路道を歩くきっかけとなったのだった。

 

30代のアメリカ人と日本人の夫婦が、八十八カ所や奥の院、番外を訪ねながら
四国遍路道を歩いて3周した遍路日記をまとめた聖地巡礼メモア
「空海の人びと」
電子書籍ソフトカバー本で発売中。

嵐の終焉~日本アルプス・白馬

japanese_alps_breaking_storm日本アルプスの上空を覆っていた雲が、切れ始めた。標高3000メートルの白馬のあたりで撮影したもので、山脈の向こうの雲の下は日本海だ。クリックして拡大してみてほしい。

(追記)
この記事は、にほんブログ村の「空と雲トーナメント」で優勝いたしました。応援してくださった方々に心からお礼申し上げます。

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日本の思い出~ 東京の道 Shibuya

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©William Ash

 

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四国遍路道

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©William Ash

この冬は、「四国遍路道」写真集の作製をしていて、四国遍路の日記を見直している。一周あたり、歩いて平均50日ぐらいかかる。写真の笠に書かれている「同行二人」は、「弘法大師といっしょに二人で歩む」という意味で、私たちは弘法大師とともに「世界平和」を祈りながら3周した。

遍路中は、テレビの放送とは似ても似つかない光景をみて、いろいろな思いが心をよぎった。でも、1周目(1998年)が終わったときは、さすがに驚いていた。この道を守ってきた、ふところの深い慈愛に満ちた精神は、どこから来ているのか?

歩き終えたときには、「人生そのものが遍路道、日常生活もまた遍路道」という、当たり前の思いをもって家路につく人が多いというが、確かに、あれだけ体も使って歩けば、どっかに意識だけが飛んでいってしまう妄想人間は、遍路道からは生まれないだろう。

ただ困ったことに、普通の生活にもどっても、どこへでも歩いていこうとする。どこへでも歩いていけると信じている。バスも電車も目に入らず、ただモーレツに歩きたくなる。喜んだのは犬で、それまで15分だった散歩が、2時間、3時間になった。いっしょに歩いていた空海が、今度は、愛犬になったような気がした。

でも、今はメイン州の冬の中、あまりに寒すぎて歩けな〜い。

 

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四国遍路道を歩いて3周した遍路日記をまとめた聖地巡礼メモア
「空海の人びと」
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日本の思い出 ~ 東京の路上にて

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©William Ash

日本人はどんな人たちか?と聞かれたら、僕はこう答える。
「温かくて、寛容な人たち」

どこの国でも、国民性となるとステレオタイプ的になり、それによって人は洗脳される。日本人も同じだ。でも、もっと時間をとって人々や生活を自分で経験してみると、ぜんぜん違う表情が見えてくる。

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男たちのふとん太鼓

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©William Ash

私たちは夫婦で四国遍路道を、3周ほどしたことがある。体力があった時のことだが‥‥。また、大阪の堺市に住んでいろいろな文化行事を楽しむことができた。今、アメリカの北東岸の隅っこの田舎に住んでも、ホームシックにかかったことがないのは、こうして前に日本に延々と脈づいてきた文化を、十分に楽しむことができたからだと思うことがある。

関西といえば、大阪の堺市の百舌鳥八幡寓の月見祭りは、地に足がついたすばらしいお祭りだ。行政に頼ることなく、9つの町が大切にこの祭りを続けている。町ごとに美しいふとん太鼓をもち、町内のおじさんや青年たちが、編成をくみ、一組あたり50から70人で2.5トンのふとん太鼓を運ぶ。しかも、運ぶだけでなく、お囃子を歌いながら練り歩き、ゆすったりして、房の触れ方の壮麗さを競う。

中でも、本堂へと続く神社の階段になると、担ぎ手の表情が変わる。バランスを注意深くとってふとん太鼓を担ぎながら、危険な階段を数回も往復してみせてくれるのだ。その真剣さたるや、見ている方の顔色も変わってくる。

担ぎ手のこうした一致団結した姿をみていると、観衆のなかの若者たちが、「俺も、かつぎてぇー」とため息をもらしたり、女の子がボーイフレンドに「あんたもいって、ちょっと担がせてもらいー!」などと言っている声が聞こえてくる。

Futon Daiko - William Ash

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