Alien Landscape, Part 1 ~ 異質な風景 Part 1

自分にとってフロリダの景色はとても異質で、どこかにまだ相いれないものがある。自然光の中で撮影してきたけれど、この土地を理解していないせいだろうか、なかなか難しい。むしろ、この土地から自分が感じるものは、近赤外で撮ったイメージのほに近い。

Shitamachi~下町

東京は、日本でもっとも近代化された都市とされ、風景は絶え間なく変化している。ところが、開発の波をうまく逃れてきた地域もある。たとえば谷中。大好きな下町だ。

谷中は、今ではよく知られた下町だが、かつては農家が点在する山林地にすぎなかった。ところが、そんな場所を変える事件が起きた。1657年の明暦の大火だ。江戸の65%が焼けて、10万人が亡くなった。この大火事の火元はお寺と言われ、徳川将軍によって多くの寺が、江戸の北に移された。谷中は、このお寺大移動によって生まれた町のひとつだった。写真集「EARTH WATER FIRE WIND EMPTINESS ~ 地水火風空」より。

In a Field ~ 牧草地

フロリダは、どこもかしこも緑色。終わることのない夏の色。ところが一本の若木だけ、葉を失って立っている。もしかしたら、あのハリケーン・イルマに裸にされたかな。でも、よく踏ん張った。

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Swamp ~ 沼地

家の横に、大きな自然保護地区がある。ほとんどは森だし、シダも生えてはいるものの、メイン州とはまるでちがう。この森の林床は、水の中。空気も生臭い。どこかで、ウシガエルのような声もする……ワニだな。こっちを、隠れて見ているな。

Tokyo Art Book Fair 10月5 ~ 8日

Press image ©Elena Tutatchikova

10月5日から、Tokyo Art Book Fair 2017 が始まります。インディペンド・パブリシャーの部門に初参加するのですが、オフィシャルサイトで参加メンバーを見てみると、芸術大学やグラフィックデザイナー、写真家、北米やアジアの出版社などいろいろで、とても楽しみ。ビジュアル系の本が好きな人、紙が好きな人は、ぜひご来場ください。場所は、天王洲アイル。詳しくは、こちらのオフィシャルサイトで。

After Irma ~ イルマのあと

ハリケーンの目がここを抜けた午前2時半頃に寝て、朝8時に起きて外を見てみれば、木の姿がちょっとちがう。ハリケーン前には、こんな姿をしていた。

フロリダ中央部へのイルマの影響は、カテゴリー2だったので思ったよりも少なく、とくにまわりでは数本の木が倒れた程度ですんだ。でも、これには理由がある。

住んでいる地域には、

雨水を貯める人工池がふたつあり、その池の水がさらに大きな湖に流れるように水路も作られているので、洪水などは起きないシステムになっている。

屋根は、カテゴリー3の最大瞬間風速58m(秒速)にまで耐えられるように作られているから、屋根が飛んだり、まわりから飛んでくるようなことはない。

電線が地下に埋められているために、停電の可能性が低い。

大きな木がまわりにない。

このハリケーンを考えたコミュニティの設計効果を、今回、しみじみと感じた。でも、カテゴリー2でも風は予想以上に強かった。古い家は雨漏りが発生し、トレーラーハウスは損傷したり傾いた。だから、私たちもカテゴリー3が来たときには、迷わず避難するだろう。

キューバをおそったカテゴリー4なんて、問題外の大きさだ。カテゴリー4の影響を受けたマイアミでは、瞬間風速63m/sを記録したらしい。マイアミ市内は、未だに車での立ち入りは禁止だ。

フロリダ州では、州の人口の1/3にあたる700万人が停電の中にいる(翌日の火曜日には、その数は1300万人にふくれあがった)。アメリカの州はもとより、カナダからも応援がきて、復旧作業にあたっているらしい。メイン州の雪嵐のときも、こうして全国とカナダから応援にきた。その姿は、頼もしいなんてものじゃない。

メイン州では、毎年、雪嵐による停電を経験した。日本での停電の経験がゼロに等しかったので、停電になって初めて、自分が電気で動くロボットと変わりがなかったことを知った。それほど、動きが止まった。電力会社からの電力に、こうまで頼った生活をしていたことに気がつかなかったことが不思議なぐらいだった。

一番に不便を感じたのは、飲料水でも、トイレでもない。手だ。できることをしようとすると、手が汚れ、手を洗おうとすると水がない。または、水を無駄にしたくない。手袋をすると、できることが限られる。だから、手が汚れないように、おとなしくしているしかない。気軽に手を洗えるか洗えないかが、行動にこうも影響しているとは意外だった。だから、今回もハリケーンに備えて、消毒用のアルコールを買った。この手の話、まさか~と思うかもしれないが、長期停電を経験した人にしかわからないホントのこと。

イルマは、フロリダに上陸した117番目のハリケーンらしい。アメリカに上陸した40%のハリケーンが、フロリダに上陸してきた。サンシャイン州と自らを讃えるフロリダだけれど、ハリケーン州でもある。

(追記 9月12日)
時間がたつにつれて、フロリダ州内の被害が明らかになっていく。1週間ぐらいに前に、カテゴリー4がフロリダ中央部を通過する予想を聞いたときの恐怖と不安は、それまで感じたことがないレベルのものだった。今回、イルマの被害にあわれた方々に、心からお見舞い申し上げます。

 

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Irma Passing ~ イルマが通る

このあたりは電線が地下を通っているために停電がなかったので、テレビやネットでずっとハリケーンの動きを見ていることができたのだが、夕方の7時から強風となり、真夜中の2時前後の1時間ぐらいは、最大風速が秒速38mに達した。数十秒ごとに吹いては弱まり、吹いては弱まり、まるでレーダー上のハリケーンの目やその周りをぐるぐるまわる風のバンドの動きを、音で感じているかのようだった。実に長かった。

フロリダ中央部でも、外出禁止令が出た。電力会社のトラックが、この中を必死に走り回って、電気の復旧に尽くしているからだ。閉まった店を狙った泥棒も出るので、警官がこの暴風の中をパトロールをしていた。外に出ている人間は、外出理由が正当なものでないかぎりは、逮捕された。

避難所は、ペット可の場所も多いが、すぐに定員に達した。特別な介護の必要な人たち用に、医療器具を備えた避難所もあり、さすがアメリカというか、かなり避難対策ができている。もちろん、ガン、ドラッグなどの持ち込みは禁止。ペットのえさ、自分用の寝具、軽食などは持参する。ヒューストンのあとだけに、かなりの人が早めに避難した。

この数日、州知事や地区の代表が、数時間ごとにテレビに登場して、「家は建て直せるけど、命は取り戻せない」と毎回言って、最後の最後まで避難を訴えたり、現状説明や避難所の情報を更新した。おもしろかったのは、どこの地区の代表だったか忘れたが、「こんなときに泥棒をするやつは、許さない。極刑になるから覚悟しろ」みたいなことを言った人がいた。

またハリケーンの上陸前には、「困ったら援助をしてもらえばいい」と援助をあてにして、避難命令が出ているのにもかかわらず沿岸の危険地域にとどまっている人たちには、「救急隊員の命を犠牲にすることはできない。ハリケーンが上陸したら、助けにはいかない」とはっきりと言っていた。

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Waiting for Irma~ ハリケーンを待つ

もうすぐ私たちの住む中央フロリダも、ハリケーンによる暴風域に入る。カテゴリー4とも5とも予想されていたイルマは、幸いにも西海岸に上陸するとカテゴリー2に落ちた。

先週には、家の上を風速200メートルを超えるハリケーンが通過すると予想されていたが、先日、急に西側にそれ、今日は勢力を落としてくれた。突然のコース変更に、油断していた西海岸の人たちは、あわてて車に乗り込んで北へ向かった。数多くの豪華客船も予定をキャンセルして、先週、フロリダの港にもどってきたが、一万を超える観光客の多くは、キャンセルや満席で飛行機便やホテルが取れず、300か所をこえるフロリダ内の避難所へ向かった。

西であれ、東であれ、その猛威はフロリダ半島の全域に及ぶほど巨大で、上陸した反対側の東海岸では竜巻が発生して、家が倒壊した。ハリケーンと竜巻というコンビネーションに加えて、高潮が予想され、海岸部はすでにみな避難している。

これが温暖化の影響でなくてなんだろうか……?

 

Settling in for the Night ~ ハリケーンイルマを待つ夜 

中央部にあるこの地域では、今夜から明日の月曜日の2時がピークらしい。懐中電灯をそばに、寝ることになる。水は一人当たり一日4リットルを準備するように言われたが、先週の火曜日の段階で売り切れで、手にいれることは難しかった。それで、持っていた食品用に作られたバケツ(20リットル)の6個に、フィルターをとおした水を入れた。

暴風がはじまると、犬も外にトイレにいけなくなる。人の勧めで、雑草がはえたままの土を空き地から引き抜いてきて、ポーチに広げてトイレをつくった。が、まだひかりは1度しか使ってくれていない。

メイン州で毎年、雪嵐による停電にそなえた経験が、今、常夏のフロリダで役に立つとは思わなかった。先週からイルマの予想に忙しかったニュースキャスターたちの声は、もう枯れて、しゃがれ声になっている。アメリカでは、気象予報士がやけに情熱的で、ニュースキャスターに負けていない。

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Night Driving, Part 3 ~ ナイトドライブ 3

 いつ落ちてくるかわからない稲妻を撮ろうと、シャッターを開けっ放しにしておくと、画像に写ってくるのは稲妻だけではない。閃光が走るたび、まわりの景色(林や牧草地)も、いっしょに撮影される。画像の下の赤い光は、追い抜いていった車のライト。フロントガラスに映っていた自分に車のダッシュボードも、写っている。

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Night Driving, Part 1 ~ ナイトドライブ1

家路を急いでいると、雷雨がはじまった。フロリダではよくあることで、雨脚は速く、あっという間に移動していく。画像の炎のようなラインは、滝のように雨が流れるフロントガラスに映った街灯だ。