ランカスター・クラッシック 2023 – Part 5

続いて、Lancaster Classic 2023, Part 5

土曜日は、朝に勝ち抜き戦があり、その勝者による決勝戦が夕方にあった。その間、決勝戦に出る選手は、時間がある。練習場を覗いてみれば、画像の3人が練習をしていた。

左がアメリカのジョン・デマー(John Demmer III)、

中央がオーストラリアのマイケル・フィッシャー(Micheal Fisher)、

右がアメリカとサンマリノの二重国籍を持つクリスティーナ・プルコーリ(Kristina Pruccoli)。

ランカスター・クラシックは、ワールドアーチェリーのインドアのルールに従っている。直径40cmの的を、18m離れたところから射る。的の中心のゴールド色の二つのリングの直径は、たった8センチ。

そんな中心を目指すわけだが、リーカーブやコンパウンドの弓に比べて、ベアボーの場合はサイトがない。矢の先が指す場所や、弓を引く手の場所を変えたりして、感覚を掴んでいく。

手探りで色々試しながら、中心点を目指すというところが、ベアボーならではの世界で楽しい。

 

ランカスター・クラッシック 2023 – Part 3 

©︎ William Ash

前回に続いて、Lancaster Classic 2023, Part 3

画像手前のアーチャーは、ニコンとライカのカメラで、勝ち抜き戦を終えた他の選手の写真を撮っている。

ベアボーのアーチャーは、みんな情熱的で、お互いにアドバイスや応援を惜しまず、とても協力的なことで知られている。こんな国際的なトーナメントですら、そんな雰囲気に包まれていた。

ベアボーは、リカーブと違い、サイトやスタビライザー、クリッカーもなく、弓本体だけを使うとてもシンプルなアーチェリー。画像の手前にあるのが、わかるだろうか。

前々からアーチェリーをやりたがっていた夫が、ベアボーを選んだのも、このシンプルさにあった。そして、ベアボーコニュニティーのフレンドリーさも、魅力の一つ。

トーナメントはあるが、サッカーやフットボール、ゴルフなどとはちがい、桁違いの賞金が出るわけではない。みなゲームとして、心から楽しんでやっている。

もちろん、勝ち抜き戦に進む人たちのテクニックは、尋常でないレベル。土曜日の決勝戦では、その素晴らしさを目の前で体験できた。

どうして
シンプルな裸弓で
あんな小さな的の
そのまた小さな中心を
射ることができるんですか?

美しすぎる。

 

 

ワシントンDCの風景 ~ ダウンタウン

©William Ash

国立アメリカ歴史博物館(National Museum of American History )の窓から見たワシントン・モニュメント(Washington Monument)と、国立アフリカ系アメリカ人歴史文化博物館 (National Museum of African American History and Culture ) 。

この夏、DCには観光客がもどり、にぎわっている。美術館や博物館は、最初は予約制だったが、そのうちに制限がなくなった。いろいろな美術館を訪ね歩きたいが、館内でのマスク着用義務を堂々と無視している人が多いのには驚く。

先週からDCでは、室内ならばどこでもマスク着用が義務化された。
果たしてみんな、守るだろうか?

 

 

ギアトーク 3 ~ 航空ステレオ写真(航空立体写真)

ギアトーク 1~ 9 では、
使ってきたカメラやフォトテクニックなどを紹介しています。

(メインメニューの「Resources」の「ギアトーク」で、掲載後は、いつでもご覧になることができます。)

 

Photo: Sony RX-1

ステレオ写真は、立体写真とも呼ばれていますが、長時間飛行機に乗るときは、ステレオ写真を撮ります。窓際の席をゲットして、ステレオ写真を撮る。これが、僕の機内でのエンターテインメントです。

これまで撮った航空ステレオ写真は、
ここをクリックてご覧になれます。

撮影方法は

極めてシンプルで、2枚の写真を連続して撮ること。2枚目の写真を、最初のものから1秒か2秒後に撮ると、3D画像に必要な視差が生まれます。飛行機に被写体が近ければ近いほど、この秒間も短くなります。2枚とも同じ構図で撮影するので、2枚目を撮り終わるまでは、カメラを同位置で構えていなくてはいけないのですが、飛行機はよく揺れるのでしんどいです。

画像処理は

撮影した画像を Photoshop を使って一対のステレオ写真にします。どちらの写真を右、左に置くかは、どういう方法(交差方か平行法か)で画像を見るか、また、飛行機の方向から決めます。

ステレオ写真の見方ですが、

僕は、目を交差させて見る交差方法が好きですが、人によっては2枚の画像を1枚の画像として見つめる平行法をとる人もいます。右左に置く写真を間違えると、見え方がおかしいのですぐにわかります。

ギアトーク Part 1 ~ フルフレイム撮影

ギアトーク 1~ 9 では、
使ってきたカメラやフォトテクニックなどを紹介しています。

(メインメニューの「Resources」の「ギアトーク」で、掲載後は、いつでもご覧になることができます。)

©William Ash

Photo: Mamiya 6 and 75mm f/3.5 lens

 

Part 1の今回は、フルフレイム撮影についてです。

フルフレイムという言葉は、今では35ミリのフィルムフレイム (24 mm x 36 mm) センサーの大きさに使われていますが、元々の意味は全くちがい、フィルムカメラ時代には、「トリミングなどしていない、カメラのフォーマットのままのネガやプリント、画像」を指して使われました

このページにおけるフルフレイムは、
フィルムカメラ時代の意味において使っています。

画像領域は、カメラのフォーマットそのまま。かつ、あとで暗室で修正したり加工せずに、カメラが撮影したままをプリントするという表現形式を、ストレート・フォトグラフィー (straight photography)といいますが、フルフレイムは、この表現形式の要でした。僕はフルフレイムが好きで、若いころからフルフレイムでやってきました。

 

プリント画像がフルフレイムであることを
写真家はどうやって証明したか?

ネガキャリアのアパ―チャをギコギコとやすりで削って、ネガの画像部分よりも大きくし、わざと画像のまわりに縁取りのような黒線が出るようにしました。こうれすば、ズルなし(トリミングや修正加工なし)のフルフレイムの画像であるとわかるわけです。ここに載せたフィルムカメラで撮った写真も、すべて黒線で縁どられています。

 

どうしたら効果的な構図がとれるか?

フルフレイムで撮影する場合、修正不可、フレイムの型もきまっているので、撮影時の構図の良し悪しがすべてです。失敗作は、使い物にはなりません。一発勝負というか、ぶっつけ本番的な厳しい撮影方法です。ところが、ベストな空間とベストな瞬間を同時にとらえるための、得策はありません。写真家にとってフルフレイムでの撮影は、箱の中に世界をいかに上手にはめ込むかという、究極的なパズルに挑むようなものです。

©William Ash

Photo: Wista VX, 210mm lens, and 6×6 roll film back. Lens shifted between consecutive exposures and film scanned as one image.

 

シャッターを切った瞬間が、すべてを決めるフルフレイム撮影。
成功のカギは、何でしょうか?

こう言ってしまったら身も蓋もありませんが、訓練、練習を繰り返すしかありません。僕の場合は、フルフレイム撮影に挑み続けている間に、フレイムが、被写体を見るものから、被写体そのものへとシフトしました。目の前に広がる世界の特定部分を抽出することで、フレイムが、新しい秩序を創造します。その場のあらゆる相関関係から、部分集合を作るといえばいいのでしょうか。どの関係を選ぶかは、空間、時間、光、色、形、状況といった複数の要因によって決まってきます。

 

ベストの構図の秘密は?

同じ被写体をとったのに、ある構図のほうが、他の構図よりもずっとインパクトの大きいいい写真になる場合があります。いったいどこからその強いインパクトがくるのか? 言葉で説明するのは、難しいものです。ある形式に従ったからとか、概念的な構図だったからとか、言えないこともないでしょう。

でも、正直なところ、謎なのです。僕の経験によれば、インパクトのあるいい写真には、知的、感傷的な表現以上のものがあります。見る側の潜在意識による認識過程は、つねに驚きや歓びを求めていますが、これに「訴えるもの」を持っているのです。だからといって、この「訴えてくるもの」が深淵なものである必要はなく、むしろ「真実」という曖昧で言い古された言葉とは無関係のです。僕にとっては、この謎こそが、フルフレイムを続ける理由、パズルを続ける理由です。

©William Ash

 

ステレオ写真 ~ Cloudland, Part 1

©William Ash

今週は、おなじみのステレオ写真シリーズ。ステレオ写真については、こちらをクリック。

夫はステレオ写真が好きで、よくブログに乗せる。でも、私はあまり興味がなかった。目をより目にできないというか、中央の黒線で交差させることがうまくできないからだ。

ところが……、Foyle’s War でステレオ写真のシーンを見て以来、ちょっと関心がわいてきた。

日本でも人気を博した英国のTVシリーズ Foyle’s War のシーズン5の中の一話で、ステレオ写真が出てくる。イギリスの情報機関が、ドイツの都市の航空写真を2枚並べてステレオ写真として使用し、建物の高さなどを割り出していた。サプライラインを断つために、爆撃する場所をステレオ写真から割り出すためだが、戦争中にこんな風にステレオ写真が使用されたとは知らなかった。

同じ航空写真でも、このブログのは、空の楽園のステレオ写真。うまく目を交差させることができれば、雲の層や位置など、立体的に楽しめます。