Part 7 ~ Horseman SW612 パノラマカメラ

©William Ash

ホースマン SW612 (Horseman SW612)は、  6×12 の中判パノラマカメラです。中判サイズにしては、驚くほど小型で、取扱も簡単。 6×6 のマミヤ6レンジファインダーカメラと併せて、補足的に使っていたので、旅に出るときは、マミヤ 6 とホースマンがいつもいっしょでした。

ホースマン SW612 で撮った写真はこちらです: Horseman SW612

このカメラの操作は、完全にマニュアルで、とてもベーシックです。

  1. ピンとを合わせる
  2. 絞りの設定
  3. シャッタースピードの設定
  4. シャッターチャージをする
  5. 撮りたい画像をフレーム内におさめる
  6. シャッターを押す
  7. 解除リバーをクリックする
  8. 巻き上げレバーを巻き上げる

 

ピント合わせ

ゾーンフォーカスで、距離設定をヘリコイド上のピントリングの被写界深度目盛を操作して決めます。これはとても単純な操作で、レンズが 55 mm Grandagon のような単焦点レンズの場合です。

90 mm と 135 mm の場合、ピントグラス(グランドグラス)、またはアクセサリーのレンジファインダーを使いました。

ピントグラスが最も正確ですが、ピント合わせに時間がかかります。
まず、ダークスライドをフイルムバックに挿入して取り外し、ピントグラスと入れ替え、ピントを合わせます。そして、ピントグラスをはずして、フイルムバックを再装着します。この後に、フイルムバックのダークスライドを、取り除くことを覚えておくことが肝心です。忘れがちなので、僕はダークスライドの色をちょっとかえて、挿入されていることを忘れないようにしました。

アクセサリーのレンジファインダーは、中間から長距離用に向いています。が、焦点距離が最小限になるにつれて、ちょっと技術が必要になってきます。レンジファインダーについては、ギアトークの Part 9 をぜひご覧ください。

©William Ash, Photo: Horseman SW612, 55mm Grandagon, and Konica Infrared Film

 

絞りの設定

SW612 のレンズは大判レンズなので、多少、限界があります。開放絞りは、ピントグラスをつかってピントを合わせるためであり、撮影に使う絞りは f/11 以下になります。開放絞りで撮影してしまうと、画像の周辺がソフトになるけられが起きます。55 mm のような単焦点レンズの場合は、センターフィルターが、コサイン4乗則による周辺光量の不足を減らして、画像の質をあげてくれますが、2回ほど露光が止まります。このカメラを手に持って使うためには、光量が少ない場合、限界があったり妥協しなくてはいけません。僕は、主に ISO 400 のフイルムを使いました。

 

ビューファインダー

明るくクリアです。ファインダーマスクを、焦点距離によって使い分けます。フォーマットは、6×12, 6×9, and 6×7 の3種類。僕は、 6×12 しか使わなかったので、6×9、 6×7 の部分をやすりで削って取り除き、見やすいようにしました。ゆがみのために、マスクの端は曲がりましたが、幸いにも、ボディーに内蔵されている水準器をビューファインダーで見ることができるので、水平にカメラを保つことができます。ただ、縦の画像をとりたいとき、特に手でかかえて縦の画像をとるときは、ちょっとやっかいでした。また、レンズキャップの端に黄色のテープをはって、ビューファインダーをのぞいたときに見えるようにして、キャップの取り外しを忘れないようにしました。

 

使いやすさ

©William Ash, Photo: Horseman SW612 and 55mm Grandagon

テクニカル上の限界と弱点はあるものの、使っていて楽しいカメラでした。6×12 つまり 2:1 のアスペクト比は、横でも縦でも、さまざまな撮影に使えました。ひとつのフイルムからたった6枚の写真しか取れとれませんが、ともかく使いやすい。僕の ebook 写真集 Futon Daiko: A Japanese Festival  のほとんどの写真は、このカメラで撮影されたものです。