春をまつ五感のとまどい

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©William Ash

メイン州の冬は長いが、こんなにしつこい雪も初めてで、林床はまだ白い。先週から今週にかけては、粉雪が舞った。ところが、一見するとまだ冬の森なのに‥‥この寒々とした木立の中で、野鳥は、歌でワルツを踊っているかのように華やかにさえずっている。

春なのか、まだ冬なのか? 目と耳がとらえる季節のちがいに、ちょっと戸惑う。でも、来週から最低気温が0℃を超えてくるから、この森もこんな感じ(←クリックしてね)になる日は、すぐそこみたいだ。

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春の森

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©William Ash クリックして拡大してご覧ください

春はすばらしい。微風に、森全体がゆるやかに光りながら踊る。長時間露出の写真だと、この動きがみえるようだ。ところでメイン州のほとんどの森は、原生林ではない。農地にするために、伐採された過去をもつ。かつては、どのような姿をしていたのだろう?

残念ながら、その姿を復元することは不可能。ニューヨーク州にある、産業化時代のあとに再生された森を調べた結果から、以下のようなことがわかっている。

「森は完全に伐採されてしまうと、放置されて自然に森にもどっても、決して最初の森のようにはならない。100年たっても、ならない。しかも、まわりに昔ながらの原生林があっても、完全に伐採されてしまった土地から再生された森は、まわり原生林の影響をうけることはなく、植物も木々の種類、配分など、原生林時代とはちがう姿の森になる」

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メイン州の詩 ~ Ice Storm, Part 4

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©William Ash

 

「白松ークリスタルな森の主」

 

氷は

一本の針すら 見逃さなかった

白松の葉は

ひと針 ひと針 氷でつつみこまれ

落ちた葉は 雪と氷の間で

標本のように閉じ込められた

 

森は 今

空から放たれた氷の巣の中に沈み

寒風にこすれ合いながら

痛げに メタリックな音をたてている

 

けれど‥‥

太陽が顔を見せれば

絡みあう氷の網に 光が 一気に走る

無数の網の中を 交差して照りかえしながら

森をきらめかせ

触れたものを容赦なくとらえていた氷を

その輝きのうちに 消していく

 

かけらに変え

しずくに変えて

森の底へと 消していく

 

そして

ひときは高い樹冠をもつ白松が

いち早く

青空の息吹の中に 放たれる

 

メイン州の森の主たる白松は

こうして 数十年 数百年と

厳しい冬を超えていく

 

輝きの中に立つ

自らの姿を 知っている

 

(注)

ここでいう白松は、Eastern White Pineとよばれる北米の北東部にみられる白松のことで、中でも、メイン州は「Eastern White Pineの州」とよばれている。樹高が高く、50メートルを超えるものも見られ、成木は200年から250年の樹齢がある。