Harbinger ~ 前兆

昨日は、最高気温が7℃と高めだったが、夜になると氷の結晶が月のまわりに月輪を作った。そして案の定、今日は、この冬一番ともいえる雪嵐がきた。サラサラのメレンゲのような雪が20センチぐらい積もり、外の気温はただ今、ー15℃。

最近は、雪かきが、冬の最高のアウトドアスポーツになってきた。メイン州の冬は長く、引きこもりがちになる。せめて雪かきのためにでも外に出て太陽に当たれば、キャビンフィーバーも癒えるし、汗を軽くかいて体も軽くなり、ビタミンDも体の中で作られる。

だから、電動の除雪機もあるのに、スコップで雪をかきたくなる。年齢、体力も考えず、スコップ片手に70メートルの雪かきに果敢に立ち向かう。無謀だ〜、と思いつつも、顏に当たる冷たい風もなんのその。

Winter Woods ~ 冬の森 2017

©William Ash

家のまわりの森は、冬になると広々とした感じになる。他の季節とちがって、隠れているものなどない。すべてが見渡せてしまうから、探してまわる必要もない。そんな森に入っていくと、巨大で空っぽな倉庫に入っていくような感じがしてくる。

Winter Fields ~ 冬の野原

©William Ash

夏の夕暮れには、野生のブラックベリーをワクワクしながら摘んだ野原も、冬は近づき難い。何もないから、つまらないというわけではない。夏の楽しい思い出が、心のなかに親しい思いを作り上げていて、期待にも似た淡いその思いを持って野原の入口に立てば、こちらのことは鼻にもかけないといった感じで厳寒と向き合っている。春にもどってくるはずの渡り鳥が、季節をまちがえて来てしまったみたいな感じがして、しょんぼりと引き返す。

 

Pleasant Pond in Winter ~ 冬のプレザント・ポンド

©William Ash

夕陽を照り返す冬の湖。白と青、茶にしか見えない寂しい風景の中に、微かにちがう無数の色による、沈黙しているような控えめな色合いの世界がある。「寒すぎる」と文句を言いながらも、メイン州を去ったら一番懐かしく美しく思うのは、こうした冬の景色にちがいない。それにしても、夏のこの景色とはあまりに違う。不思議な世界に住んでいるものだなぁ。

Winter Blackberries ~ 冬のブラックベリー

©William Ash

先週は一月だというのに、気温が0℃以上になった。珍しいことに雨が降り、それがやがてみぞれになり、あられとなり、雪がちらくといった感じだった。一日の間に、水が変幻自在に姿を変えて空から降ってきて、天気予報のお兄さんは、「こんな天気は、初めてだ〜」と言っていた。

例年なら雪が深いので、スノーシューズをはくのだが、今年は雨のあとに気温が下がったので、雪は固い氷となっている。滑りやすいので、アイゼンをつけて野原に行ってみれば、ブラックベリーが、明るい白のキャンバスに固い黒線となって抽象画の世界を創っていた。あまりに、夏の姿とは違う。

Winter Constellations ~ 冬の星座

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©William Ash

冬の星座の明るい星たちの光のまわりに、空のはるか高みに浮ぶ雲によって、きれいなぼかしが生まれている。右には、ベルトと剣で有名なオリオン座、。中央には、燃えているような目で知られる牡牛座、そして左にプレアデス星団が見える。

New Years Day, 2017

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©William Ash

新年、明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

年末に30センチの大雪が降って、二日間ほど停電し、本日の元旦の朝に復旧した。電池で動くラジオから聞こえてくる音楽を聞きながら年を越した。停電には困るが、大雪のあとの森はやはり美しい。

青い鳥からのお知らせ!

30代のときに夫婦で四国遍路道を歩いて3周したメモア
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どんよりとした雪の週末だったが、バードフィーダーのまわりはにぎやかで、コガラナゲキバトエボシガラ、ゴールドフィンチがひっきりなしにやってきた。中でもアオカケス(blue jay)は、6羽ぐらいでやってきた。
カラスの仲間なのにブルーの高貴な衣装をまとい、淡い色合いが微妙なのに、しっかりと目立つ。鼻のあたりの黒い線をいかして、にらみの効いた表情を見せたりする。
メイン州では珍しい鳥ではないけれど、雪の日にはとても美しく見える鳥だ。絶対に、お友達になりたい!

 

In the Shadow of the Moon ~ 月影の中

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©William Ash

水曜日は、月影の森を歩いた。満月の光が、積もった白い雪に照り返し、その中を歩けば空気は澄んで鋭く、音は冬の空に消えていくかのよう。この世界でそれぞれの固体の型を作っている固い枠が失われて、樹々はみな影となり、距離も大きさも幻想になる。