御廟山古墳と百舌鳥古墳群

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御廟山古墳(ごびょうやまこふん)は、かつては近くにある百舌鳥八幡寓の奥社だった。壕は二重だったが、今では内側の壕だけが残されて、全長186mの前方後円墳をかこっている。百舌鳥古墳群の中では4番目に大きな前方後円墳で、この壕からも、かつては大きな古墳だったことがうかがえる。

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以前は裸の墓だったが、今では木々が覆っていて、土砂の浸食を防いでいる。どの古墳でもそうなのだが、こうした木々は、いかにも自然で枝振りも美しい。町中の風景とは思えない。また、お堀の水を目当てに、水鳥もやってくる。渡り鳥もやってくる。多くの人間の労力や命を犠牲にして作られたと思われる古代の権力者たちの墓が、今、自然環境保全にも重要な役割し、また市民の安らぎの場所にもなっているという不思議さ。こんな逆転劇を、いったいだれが予想しただろうか?

仁徳天皇陵と百舌鳥古墳群

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堺市にある大仙古墳(仁徳天皇陵正面)by William Ash

13年ぐらい前のことだが、大阪府堺市にある百舌鳥古墳群の中に住む機会に恵まれた。東西・南北4キロメートルにわたる地域に、4、5世紀に作られたおよそ46基の古墳が今でも残されている。かつては100基以上あったらしい。

古代の権力者たちの巨大な墓場が、今では町になっていて、墓のまわりや墓を壊して家や道路を作って一般市民が生活をしているという風景のもつおもしろさ。古墳のまわりを散歩すると、古墳時代と現在というふたつの時空に住んでいるような感じがしてくる。

住み始めたときは、「こんな場所があったのか!」と、関西に残された遺産の豊かさと、そんな貴重で重要な文化遺産をなんとも思っていないかのように、当たり前の顔をして住んでいる人々に本当に驚いた。百舌鳥古墳群は、世界遺産登録を今、さかんに進めているが、はるか前にそうなっていてもおかしくない場所だ。

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堺市役所から大仙古墳(仁徳天皇陵)を望む by William Ash

古墳のなかでも圧巻なのは、もちろん歴史の教科書にのっている仁徳天皇陵とも呼ばれる大仙古墳。ただ、古墳の外側には車道や歩道があるので、遠巻きにはほぼひとまわりできるものの、古墳の中には全く入れない。最初の写真の鳥居のところまでしかいけない。それでも、鳥居のところにいって古墳に向うと、この丘のような古墳が人の足に荒らされていないからだろうか、心静まるような清涼な何か感じる。

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鳥居 〜 くぐるもの

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東京の明治神宮の鳥居 by William Ash

神社は大好き
長い参道を歩くと 迎えられているような懐かしい気持ちになっていく
大きな木をみると 優しい気持ちになる
お祭りがあれば屋台がでて 大人も子供もみんなが楽しそう
だから神社は大好き

でも わからない
鳥居の内は聖域で 外は聖域じゃない
ということがわからない

神道は八百万の神であり
すべてに神の命が宿るんじゃなかったかしら?
聖域じゃない場所があって いいのかしら?
そんな世界があると 認識していいのかしら?
認識すればするほど その存在は強固なものになるんじゃないのかしら?

鳥居よ なぜ在る?
優美で均整のとれた形がもつ侵しがたい強さは どこから来た?
本当は 何を 守っている?

By Naomi Otsubo
Futon Daiko - William Ash

パウロ・コエーリョと気球 Part 5

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パウロ・コエーリョの小説「アルケミスト」の主人公サンチャゴには、ビジョンがあった。正確にえば、マクロとミクロがひとつになった世界を体験していた。

パウロと気球に乗った日は、風もなく静かだった。気球の中でも、振動を感じることがなかった。まるで世界が、自分という不動点のまわりを動いているだけのように感じた。

パウロ・コエーリョと気球 Part 4

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パウロ・コエーリョは、どんな人だった?と聞かれても、ちょっと答えるのは難しい。長年付き合いのある友人ですらわからないのに、ちょっと会って話をしただけで、人を知ることなんてできない。でも、あえて僕の印象を言えば、この写真の彼が一番僕の彼に対する印象に近いと思う。

パウロ・コエーリョと気球 Part 2

pc_and_balloon_2 気球のバスケットに乗っているのは、パウロ・コエーリョと、彼の小説を日本で出版している地湧社の増田社長。この美しい気球は、増田社長のもので、ご覧のとおり地球儀そのもの。地球の衛星写真をもとに、わざわざ作らせたという。ぼくは、その気球に乗っている増田社長とパウロの写真を、別な気球から撮影した。

ゴールデン・ラセット—メイン州のりんごの季節

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by William Ash               画像をクリックすると拡大されます。

メイン州にはたくさんの果樹園があり、スーパーでは買えない珍しい種類のりんごが売られている。数年前、私はずっと探していた「ゴールデン・ラセット」をついに見つけた。こうした固定種(heirloom)のりんごは、アメリカでもめったに出会えない幻のりんごだ。

最初にこのりんごの名を聞いたのは、イギリスに長年住んだ夫の家族からで、「味は説明できないけど、おいしい」というものだった。実際、自分も食べてみて感じたことは「こんなりんごは食べたことがない」ということだった。小ぶりで、梨のような外見からはちょっと想像ができない。派手な味ではないのに、しっとりと甘い。あえていえば、高級感のある味なのに、大地の味がするというのか? それに、この食感は何なのだろう?

保存がきき、デザートアップルとして食するだけでなく、アップルサイダーにも使えるゴールデン・ラセット。待ちかねる晩秋の味覚のひとつである。

聖なる日

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神社のお祭りは、コミュニティーの儀式。地元の神様をお神輿にのせて、一日中、街中を練り歩く。練り歩きながら、歌い踊る。道々で休み、飲み物などをもらう。説教もなければ、住民の改宗を目的としたものでもない。そこにある真実は、もっと微妙で、もっと深い。つまり、町や人々こそが、この日、そしてそれ以降につづく日々、聖なるものとなる。

Futon Daiko - William Ash