食べられる庭 ~ Edible Garden 2

数年前の春先、家のドアの前に、タンポポがはえてきた。ところが、どんどん茎が伸びて、2メートル近くにもなった。つぼみらしきものを、たくさんつけはじめた。いったいどんな花が咲くのだろう? ひまわりよりも背の高い花なんて‥‥毎日、ワクワクして仰ぎ見ていた。

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Lactuca canadensis by William Ash

しかし、散々まったあげく、たくさんのおちょぼ口のような小さな黄色い花が、ほんのちょっとの間、咲いただけだった。がっかりしたのと、頭にきたのが重なって、種をつけはじめると、猛然と引っこ抜いた。が、証拠にもなく、今年も生えてきた。まさかと思いながらも、方向転換を試みている今年は(足下の世界#1参照)、googleしてみた。

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Lactuca canadensis by William Ash

なんと、いつも食べている、似ても似つかない野菜の大元だった‥‥レタス。

植物のラテン名は、Lactuca canadensis, 俗名はTall  LettuceとかCanada Lettuceと呼ばれている2年生の野生のレタスで、最初の年は、まさにタンポポのような顔をして年をこし、翌年に茎をのばして開花する。

市場にでまわっているレタスのほとんどが、こうした野生のレタスから生まれたハイブリッド。もちろん、このレタスも「春先の若い葉と茎(背丈30cmぐらい)」や先端の部分は、生でも煮ても、おいしく食べられるとある。花はタンポポの花のように、フリッターにしてもおしいとか。かなり小さい花なのだが‥‥。

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Lactuca canadensis by William Ash

茎はムリだが、 こわごわと葉を口にしてみれば、そんなに苦くない。生で、平気で食べられる。タンポポの若葉も食べれない自分でも、おいしくいただける。レタスの大元だけあって、元気がでるような緑の味がする。市場のスカスカのレタスが嫌いな自分には、好みの味なので、さっそく若葉はスムージーの食材の定番となった。

科学的根拠があるのかないのかは知らないが、薬草としての効能もあるらしく、全草、とくに茎を切ったらでてくる汁は、過去はもとより、現在でも神経をリラックスさせるサプリメントや、鎮痛、利尿などのために商業用に使用されている。ネイティブアメリカンは、とくにイボとり傷口に使用していたらしい。

今、メイン州の秋の気配のなか、この植物は、たくさんのタンポポのような種をつけている。風にのって種が庭のあちこちに飛んでいき、来年、発芽してくれることをなまけものの私は願っている。これといった虫もつかないこのレタス、とても便利なのだ。

野生のレタスにはたくさんの種類があり、識別が難しい。散々調べた結果、私は、Go Botannyというニューイングランドの植物に関するサイトを参照にした。こうした野生の植物を利用する際は、専門家のアドバイスをもとめることをすすめる。

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