ワシントンDCのダウンタウンにある国立肖像画美術館 (Smithsonian American Art Museum) に行ってきた。今は予約制なので、2週間前に予約をいれておいた。
画像は、「¡Printing the Revolution! The Rise and Impact of Chicano Graphics, 1965 to Now. 」という特別展の一部。
この特別展は8月8日まで行われている。くわしくは、ここをクリック。
ワシントンDCのダウンタウンにある国立肖像画美術館 (Smithsonian American Art Museum) に行ってきた。今は予約制なので、2週間前に予約をいれておいた。
画像は、「¡Printing the Revolution! The Rise and Impact of Chicano Graphics, 1965 to Now. 」という特別展の一部。
この特別展は8月8日まで行われている。くわしくは、ここをクリック。
2018年に、北米大陸の東南端のフロリダ州から、北米大陸の中央にあるミズーリ州カンザスシティに引越をした。車で17時間。およそ 2100 ㎞ (1304 miles)。参考までに、東京から大阪まで509 ㎞。
さて、困った。
トラックを着ける「ドック」というものがアパートにはあり、4時間ぐらいしか荷下ろしの時間をくれない(少なくとも、私たちのアパートではそうだった。)もちろん、コンテナやトレーラーを駐車場におきっぱなしになんて、させてくれない。だから、Part 4 のようなトレーラーでの引越は不可となった。すごく残念。
よって、
またUHAULトラックをレンタル
(夫が運転し、私はプリウスであとからついていく)
+
荷物の積み下ろしは、引越業者を雇う
という新しいパターンにトライした。
私がついに引越前に運転免許をとったから、犬と義母といっしょに、プリウスで夫の運転するトラックの後を追いかけ、義母は引越の手伝いと観光をすませたら、飛行機でフロリダへ帰るというプランが可能になった。
義母が交代で運転してくれるとはいえ、運転免許とりたてで、アメリカの高速を二日間走るのかと思うと、お守りをいくつ身に着けても足りない気分だった。
でも、友人たちはみな口をそろえて言った。
「何いってんの。高速は簡単よ。危ないのは街中。」
荷物の積み下ろし業者について
荷積みのフロリダ州側は、大成功!
ついにUHAULのサイト内の荷物の運搬だけを手伝ってくれる人を頼めるサイト(Moving Help)を利用した。
物の取り扱いに神経質な夫は反対したが、フロリダの友人たちの勧めでトライした。
ヒスパニック系のキン肉マンのお兄さんと、おじさんの登場。その名も Sunshine Mover 。お兄さんがひたすら箱を運び、おじさんがトラック内で積める役。道具、機材とかも持参してきた。
積み方もうまく、20 feet のトラックがいっぱいになったが、すべてを積み終えた。とても感じがよかった。
お兄さんが、気さくな義母のことをとても気に入って、何回もハグをしたのだが、あとで義母曰く「すごい腕力で、胸がつぶれるかと思ったわ。」
確かに、いい体格をしていた。
しかし、、、、
荷下ろしのミズーリ州側で、問題勃発
はじめての場所なので、アパートの人がよく使う運送会社 You Move Me に直接電話をして頼んだ。地元の評価は高い。そして、料金も高かった。が、イマイチ。
なぜなら、
予約時間に来なくて、数時間も待たされた。理由は、午前中の引越が長引いたから。行ってみたら、まだ箱詰めをしていた状態だったという。よくある話だ。
(教訓:引越の依頼は、なんでも朝一番を頼もう!)
幸い、2時間強で荷下ろしがおわった。もし4時間もかかっていたら、次にドックの予約を入れていた人から、絶対に文句を言われたと思う。
いずれにしても、人に頼むと楽。
評価のいい会社を使えば、大丈夫なようだ。
もっと前から使えばよかった。
さて、今回の引越でかかった費用は、
1.UHAULトラック
20 feet のものを、5日間レンタル(1486マイル込み)して、1032ドル。これにSafemove というトラックにかける保険が 98ドル。合計で 税込みで1217ドル。
2.荷物の積み下ろしにかかった費用は 667 ドル
・UHAUL のサイトを通じて頼んだフロリダ州側は、二人で3時間雇って178ドル。
・運送会社に直接依頼したミズーリ州側は、二人で3時間 で489ドル(機材料金 99 ドルを含む)。
ミズーリの方は、機材料金など加算してきてかなり高め。次回からは、UHAULを通して依頼する。特に、荷下ろしは、荷積みに比べてずっと楽な作業で、時間もかからない。
3.トラックのガソリン代は、 351ドル(1ガロン 2.7 ドル)。
ここまでの引越費用、2235ドル。
他には、雑費として、プリウスのガソリン代 87ドル(1ガロン 2.7 ドル)、2泊分のホテル代や食事代、義母の飛行機代などがかかった。
次の Part 6 をみればわかるが、
今回の引越は、かなりコスパがよかった。
しかし、
これも大型家具がなかったからこそできたことだった……。
Part 6 につづく。
2017年、メイン州の家を売って、フロリダへ引越した。米国の北東端のメイン州から、その南端のフロリダまでの移動距離は、およそ 2414 km(1500 miles)。
車で、およそ22時間。東京ー大阪間が高速で約 500 km だから、5倍近く。大移動だった。
ここでまた、問題再発……
私が車の運転ができないので、トラックをレンタルしても、プリウスで犬といっしょに、夫の運転するトラックの後をついていくことがきでない。
それで、再び業者を雇うことを考えた。
しかし……
噂には聞いてはいたが、見積もりをとってみれば、どこも10.000ドルを超えて、びっくり。しかも、トラックを途中で替えて、荷物の入れ替えがある。
日本からアメリカ東部のニューハンプシャー州まで引越すとき、コンテナ1台分を船便で送り、13,000ドル払った。この時は梱包もしてくれ、かつ巨大な太平洋を横断したので、もっともな値段。
だから、メイン州ーフロリダ州間の運送代だけで、10,000ドルを超えてくることに、納得できない。しかも、アメリカの業者。
彼らのサービスに、それほどの値打ちがあるか?
日本の質と比べてしまうと、出口のない葛藤がはじまる。それは、スタバにいっても同じことだが…。
そこで初めて
トレーラーによる引越を選択。
そして結果は?
時間的にも、経済的にも、精神的にも
ベスト!な引越となった。
これは、Freight Movingというもので、トレーラーをレンタルして家までもってきてもらい、それに荷物を積めば、あとは業者の人がまたきて、引越先へ運んでくれるという方法。
私たちが採用したのは、
U-Pack の U-Pack Moving Trailer サービス。
同様な引越サービスをしているところは、他にもある。このサイトに比較があるので、参考にしてみるといいと思う。
他に、コンテナによる引越も考えた(各社の比較表はこちら)が、コンテナひとつでは小さすぎて、ふたつ必要になり、かえってトレーラーよりも高くついた。
また、当時はメイン州でコンテナ、トレーラーのサービスをやってくれるところは、この U-Pack しかなかった。これが、田舎の弱みだなぁ。
トレーラーによる引越の注意点
1.巨大なトレーラーを数日とめておける私道や駐車場が必要
2.たいていは3~10日ぐらいでトレーラーは引越し先に到着するらしいが、こちらからは期日を指定できない。
3.盗難。
会社によっては、途中で荷物を積み替えて、他のトラックに移す。または、同じコンテナの余った部分に、他の荷物を積んでいく。
それだから、安い運送料が可能になるわけだが、その積み替えの途中で、高い絵画が盗まれていたり、物が壊れていたり……という被害を聞いたことがある。
ただ、こうした被害は、荷物の入れ替えがある限り、トラックでもトレーラー、コンテナでもある。
でも、私たちの場合、U-Packに 問題はなかった。
なぜなら、
(1)メインの家にもフロリダの家にも、トラックを止めて置ける場所があった
(2)トラックがフロリダにいつ到着しても、生活に支障がなかった
(3)トラック内の余った部分には、同方向に輸送が必要な商業用品だけをつんでいく。他の人の引越荷物ではない。
(4)途中で、他のコンテナやトレーラーに荷物を移し替えるようなことがない ← これは大事。
(5)板の頑丈なドアを、自分たちの荷物と、追加に乗せていくであろう荷物との間に取り付け、そこに自分たちの鍵をつけられ、その鍵を自分でキープできるので安心。リンクには、ドアの取り付けビデオもある。
クリックしてBulkhead_Instructions.pdfにアクセス
他にも、以下の点で助かった~。
(6)荷を積むのに3日間、下ろすのに3日間くれ、延長も可能なので精神的に楽。ここらへんは、かなりアバウトだった。
(7)料金計算が親切。たとえば、最初にトラックの縦 20 feet 分を注文したのに、実際に荷物をつめてみたら、13 feet や 25 feet だったら、あとから差額分を払い戻してくれたり、追加で支払えばいいだけ。
ここにFAQ(よくある質問)ので、参照してみるといいと思う。
メイン州にトレーラーが到着した日
商業用品を運ぶだけあって、高速でみかけるあの巨大なトレーラーが運ばれてきた。これを狭い公道においたら、苦情が出るにちがいない。私道があってよかった。トレーラーの大きさはここをクリック。上の写真も参照。
引越し当日まで、夜を徹してトレーラーに自分たちで荷を積めた。
家具は、家の買い手にあげたり処分したので、予約時に20 feet 分を借りたが、実際には16か17 feetしか使わなかったので、予約時よりも安くなった。
引越の当日は、家の受け渡しの契約で、忙しかった。
トレーラーは、運転手が午後に引き取りにくるというので、家の買い手の許可を得て私道(ドライブウェイ)においたままにして、私たちはフロリダへと犬をつれて出発した。
フロリダにトレーラーが到着
私たちが到着した3日後ぐらいだった。その間、U-Packとは何回か連絡をとりあった。
フロリダは暑くて、早朝か晩にしか動けなかったので、3日間かけてダラダラと荷を下ろした。時間的余裕があって助かった。
そして、予定日にトレーラーはお迎えのトラックに繋がれて、消えた。
さて、U-Pack への支払いはいかに?
全て込みで、
およそ3600ドル。
これに、フロリダまで2泊したホテル代や食費、ガソリン代などを追加すると、
全合計で4200ドル。
Part3 と比べれば、なんて感動的な数字。
U-Pack での引越は、本当に楽だった。
しかし、
このあとの引越にはこのシステムを使えなかった。
アパートへの移動だったから…。
アパートへの引越がいかに面倒であるかを、次回の引越から学んだ。
いや~、引越って、いろいろありますね。
サインいわく、
Please keep this area clean.
(ここを常に清潔に保つことにご協力をお願いいたします。)
ということで
雀さん
フンは自分で始末していってください。
~~~~~~~~
アメリカのコロナ関連データ
今のところ世界の人口の20%が、少なくとも1回はワクチンを接種したらしい。
ワシントンDC の場合は、48%が2回の接種を終えている。
6月11日金曜日から、ワシントンDCではレストランの人数制限が解除されて、通常営業にもどった。
果たして、本当に、こんなに安心できるような状況なのか? データを見てみた。
6月11日のニューヨークタイムズのデータによれば、
・2回ともワクチンの接種を受けた人
全国平均 43%
ワシントンDC 48%
・1日あたりの感染者数
全米平均 13,409 人
(10万人当たり 4人 14日間平均で、ー 42%)
ワシントンDC 16人
10万人につき2人、14日間平均で、ー 40%)
・1日当たりの入院患者数
全米平均 21.222人
(10万人当たり 6人 14日間平均で、ー 23%)
ワシントンDC 107人
10万人につき 15人、14日間平均で、ー 14%)
・1日当たりの死亡数
全米平均 387.3人
(10万人当たり 0.12人)
ワシントンDC 0.1人
(10万人につき 0.02人)
この数週間で、感染者数が大幅に落ちているのは、ワクチンの効果なのだろう。
しかし、今だに毎日400人近くがコロナで死亡している……知らなかった。
2回ともワクチンを受けた人が、
人口の50%以上の州
ベルモント州(60%)、メリーランド州(51%)、ニューハンプシャー州(57%)、メイン州(57%)、コネチカット州(56%)、ニュージャージー州(51%)、ロードアイランド州(54%)、マサチューセッツ州(57%)。北東岸に集中している。
、
ワクチンを2回とも接種した人が30%台の州は、
南部や中西部の州。
昨年まで2年間住んでいたミズーリ州も36%。
もちろん、ワクチンの接種率が低い州でも、感染者数が同じように減少している州もある。
但し、決定的な違いは、今だに感染者数が増加している州は、グアムやハワイを除けば、ワクチンの接種率が30%台の州ということ。
ワシントンDCのナショナルモールは観光地だから、こうした30%の州からも人がくる。
マスクをはずすには、ちょっとまだ早いかも。
Part 3 からのこぼれ話
引越業者へのチップは
一人当たり1時間につき、8 ~ 10 ドルが相場
大事なことは、
各自に、直接に、渡すこと!
ところが、それを夫に言ったにもかかわらず、
「チップを横取りするヤツなんているもんか」
私の忠告も聞かず、お昼になると、
「これで、みんなでランチして」
チーフに、まず60ドルを渡した。
そのとき、他の二人はその場にいなかった。
チーフは、60ドルをトラックのバイザーにはさんだ。
そして、もどってきた他の二人といしょに、ランチをしにどこかに消えた。
おい、分けないのか? おやじ。
案の定、
ランチからもどっても
だれもチップのお礼をいわない。
絶対に、おかしい……。
夫も、やっとこの世の世知辛さがわかったようで、
すべての作業が終わったときには、もう20ドルずつ、各自に手渡した。
「あ~、どうもありがとう」
バイトの二人は、待ちに待っていたように喜んだ。かわいそうに……。
あのチーフのおやじは、最初の60ドルをネコババしたようだ。
散々「じいさん! (Old guy!)」と、二人からからかわれた仕返しか。
次は、6回の引越の中でもっとも長距離になった
フロリダへの引越 Part 4 へ続きます。
紅葉の秋、2009年、メイン州のS町から 32 km ( 20 miles) 離れた田舎に家を買い、引越をした。
前回と同様、メイン州内の引越だが、今までの引越の中で、もっとも移動距離が短い。よって、もっとも安い引越となるはずだった。
ところが、
もっとも割高となってしまった。
ついに
地元の引越業者を雇ってしまったからだ。
DIY の引越をギブアップしたのは、
・引越し前の一月間、二人で引越先の家のリモデリングをして、かなり疲れていたから。
・両方の家の入り口に階段があり、大きめの洗濯機の出し入れに自信がなかったから。
はじめてのアメリカの引越業者による引越しは
いかに?
当日、3人来た。チーフの50代ぐらいのヒスパニック系の小柄な男性、白人の若い青年二人。
チーフが運送会社の正社員らしく、他の二人はバイト。筋肉マンタイプではなく、いかにもひ弱。明らかに、重い箱を避けていた。
たとえ引越専門業者でも、
彼らが運ぶ様子は、
しっかりと見ておいたほうがいい。
というのも、2階の家具を移動させていたとき、若い男性のひとりが壁の穴をみつけて、「やばい、これ、おれがやっちゃったのかな?」とチーフに聞くと、「黙っていろ」と、そのまま家具を運んでいった。
幸い、その壁の穴は、前からあるものだったからよかったけれど、私が見ているにもかかわらず、何も聞かず、堂々と家具を運んでいった。知らんふりはないだろうに。
問題の洗濯機は、
バイトの青年たちは、どうやって家から運び出せばいいのか、そこでもうつまづいていた。すると、それまで主にトラックの中で仕事をしていたチーフが、家の中に入ってきた。洗濯機のまわりにストラップをグルグルを巻き付けたと思ったら、いきなり背負った。そして、スタスタと運んでいった……。
「腰を痛めるから、じいさん、やめろ」
他の二人が止めても、聞かなかった。実はこの二人、それまではチーフを
「じいさんには、こんな箱は運べないだろう」
などと、平気でからかっていた。もちろん、この洗濯機事件のあとは、黙ってしまった。チーフの人は、あんなことをしていると、そのうち腰に故障が出てくるなぁ。
さて、
引越業者からの請求額は
2000ドル!
これにチップ代が120ドル
合計で 2120ドル~。
引越2回目の値段を考えれば、
コスパは相当に悪い……。
でも、
箱詰め以外は心配しなくていいという安心感に負けた。
そして、
やはり楽だった~。
ただ、こんな近距離ならば、UHAULの荷物の移動だけ人に頼める「Moving Help」を使ったほうがいい。Part 5でこのサイトを使用して業者に運んでもらったが、とてもよかった。
また、今ではレンタルトラックを運転してくれるドライバーだけを雇える 「RENTED TRUCK DRIVER 」のようなサービルもある。長距離の引越だと、盗難の多いアメリカだから不安だが、こんな短距離ならば、後ろからトラックのあとを自家用車でついてけるので、盗難の可能性はないかもしれない。
、
チップについて
Part 3 こぼれ話で説明しよう。
かなり大事……。
アメリカ国内引越Part 4 ~ Part 6は、大移動となる。
Part4 は、北端のメイン州から南端のフロリダ州へ 2414 km
Part 5 は、 南端のフロリダ州から、アメリカ大陸の中央のミズーリ州へ 2100km
Part 6 は、中央のミズーリ州から、太平洋岸のワシントンDCへ 1770 km
方法もそれぞれ変えての大移動。
果たして、引越費用はいかに?
アメリカ国内の引越 Part 2からのこぼれ話
我が家の最初のニューファンドランド犬のKaiは、体重が75キロの真っ黒けの大型犬だった。最初のオーナーが庭で兄弟犬といっしょに飼っていたが、飼育できなくなり、ニューファンドランド専門のレスキューセンターに連れてきたところを、私たちが引き取った。4歳だった。
この犬は、我が家に来るまではずっと庭にいたので、家の中にいられること、そしてかまってくれる家族ができたことがよほどうれしかったらしい。引越の準備が始まると、心配げな顔をしはじめた。
引越当日、Kaiは大きすぎて、UHAULのトラックには乗せられないので、荷積みを終えると、2階にある Kai 用の超巨大ケージに Kai を入れ、
「待っててね。すぐにもどってくるからね」
と言って玄関をでた。
「ウォーン。ウォーン」
大きな悲しげな声が、外まで聞こえてきた。あんな声を聞いたことはなかったので、夫も私も衝撃を受けた。もうこれは、いっしょに連れて行くしかない。
しかし、Kai よ。
君はデカすぎるのだ。どうしよう……。
2階にもどって様子をみると、Kai は大喜び。ケージから出して、玄関のドアをあけると、真っ先にトラックのドアまで自分で走って行って、
「いっしょに行く。乗せてくれー」
UHAULのトラックの運転座席は、とても高い。ドアを開けると、Kai が乗ろうとして、前足を助手席のイスの乗せた。が、できたのはそこまで。後ろ足がどこにも引っかからない。ジャンプなんて、無理。ニューファンドランド犬は、運動神経ゼロ。
仕方なく夫がしゃがんで、Kai の後ろ足を後部から持ち上げようとした。すると、
「はい、そのまま持ち上げて」
Kai はリフトに乗ったみたいに、夫の手の上にそのまま全体重をのせた。「オー」と、夫から声がもれた。75キロの犬だもんね。全体重をかけられたら、そりゃ重たいわ。ともかくこうして、Kai は助手席に乗ることに成功。
でも、おい、
そこは私の席じゃない?
Kai は降ろされたくないので、座席の中央で小さくフロントガラスに向かって「問題ありませ~ん」みたいにお座りをした。でも、50分もこのままでいられるわけがない……。
トラックが走り出して数分もすると、Kai は、私の方に向きを変えて、私と背もたれの間に顔を突っ込んできた。
Kaiよ、私を押しのけて、横になるつもりだろう?
肩越しに Kai の顔を見てみれば、あっちも大きな目をして私を見て、
「ウッシッシ」
それから引越先につくまでの間、Kai は少しずつ頭を突っ込み、そして体を入れ込み、ついには助手席に横になった。作戦成功。そして私は、おしりのほんの少しの部分をかろうじて助手席にのせて、すべり落ちないようにダッシュボードに手をかけて耐えていた。
Kaiちゃん、
今でも、あの時の君の
「いい? いいよね?」
って訴えていたかわいい顔を忘れられないよ。
アメリカ国内の引越 ~ Part は、こちら
アメリカ国内の引越 ~ Part 1こぼれ話は、こちら
アメリカ国内の引越 ~ Part 2は、こちら