ぼた雪を見ながら

life_in_maine_inside_a_storm_2

©William Ash

月曜日は雪だった。5センチぐらいしか積もらなかったが、午前中から午後に向けて、ぼた雪が降りつづけた。ゆっくりと舞い降りるような雪を見ながら過ごす雪の日。雪の白さが染入るような静けさは、なんとも美しい。

今年の冬は、本当に楽な冬だった。まともな雪嵐は1回きり。気温も高くて、薪がまだたくさん残っている。地球温暖化の影響だと思うと深刻になるが、2年続いて大雪の冬だったので、とてもいい休憩になった。雪も水曜日には、溶けてしまった。

かわいいスノーモンスター

life_in_maine_adorable_snow_monster_1

©William Ash

朝、目覚めてみれば、外は雪だった。
風が夜中じゅう吹きあれたあとは、変わったものが姿を現すかもしれない。
だから、家からは遠くへ行かないことが賢明だ。
でも、そんなふうに恐れていたら、
こんなかわいいものだって見逃してしまうかもしれない。

life_in_maine_adorable_snow_monster_2

©William Ash

見えるものと見えないもの

life_in_maine_bug_head

©William Ash

視覚が世界を作る。でも、人間が「目の前の空間にあるものを見ている」と思っている最中に実際におきていることは、「目の網膜に写ったイメージをプロセス中」ということにすぎない。見ている世界とその表層の現実は、心とバイオロジーによる幻想なのだ。

目によって、世界もちがってくる。よく知られているのは、昆虫の「複眼」。ほ乳類の目とちがい、映写された画像を使わないだけでなく、たくさんの目をもつ。クモなど、8個もの目をもっている。

画像の虫は、顏の前面の大きな目のほかに、頭の後ろに透明のドーム型の目を三つもっているように見える。拾った虫だが、なんの虫か知っている人がいたら教えてほしい。なんとなく仮面ライダーを思い出す。

こんなすごい面をした虫たちが、まわりをブンブン飛んでいるこの世というもの。ドローン顔負けの情報を虫は収拾しているかも……なんて考えてしまうし、人間の視覚では拾えない生命体がいて当たり前に思える。それが雲に見えたり、風をおこしたりしているのかも。

冬の光

life_in_maine_winter_light

©William Ash

夕刻に森の端まで行って沈んでいく太陽の光をみれば、冬のピークがもう過ぎたことがわかる。冬の間、メイン州では仕事に出かけるときも、家にもどるときも、すでに日は沈んで暗いのが当たり前。でも三月になると、空がちがう。日照時間が長くなってきたのがはっきりとわかる。陸の前に、まず空が最初に光に満たされていくのを感じる三月だ。