泥の季節, Part 1

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©William Ash

今年の冬は、おかしい。2月なのに、最高気温が0度以上の日が多い。いつもなら雪が30センチは積もっているのに、2月に雨が降って雪を解かしてしまった。2月に林床に澄んだ雪解け水がたまるなんて珍しい。この季節を泥の季節というのだけれど、たいては3月の半ば過ぎから始まるので、2月だととてもそんな気分になれない。春が近そうな景色でありながら、感覚がそれを疑っている。

不毛な砂地

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©William Ash

最近、アート、とくに写真における自然保護について話をしたりすることがある。そのたびに、「今のアートの世界は、この世界とその美に飽きているなぁ」と感じる。

写真は、真実ではなくてフィクションであると歌い上げて、そのアイデアをやみくもに崇拝している。まるで自己陶酔的な現代に同調しているように見える。この世界を奇抜なところに見せたり、深遠なものを陳腐なものとして表現するために、写真が利用されている。

アート以外のカルチャーでも、この世界に飽きてしまったのか?

興奮ばかりを追い求める中毒患者のように、目新しいこと、なにか奇妙で変わったことばかり探している。すぐに気を引くようなものがなければ、他へ移ってしまう。 広告写真のせいで、人間は、一目でパッと理解するか、喜びを感じるものをほしがるように条件づけられてしまったのか?

上の写真は、ベイツモースマウンテン保護地区のシーウォールビーチにそって広がっている砂丘だ。陸の有機堆積物が、風と水が運命をまかせて、細やかな砂丘の砂となった。植物は、こんな不毛な場所でも進化し、侵略し、砂丘が風や水で動かないように押さえている。厳しい冬になっても、しっかりと砂をにぎりしめている。今の茶色から、夏に緑色になったときでも、それは美しい。

 

蛇紋石

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©William Ash

この岩は、皮膚が緑の蛇に似ているところから、蛇紋石(じゃもんせき)という名前をもっている。こういう美しい石を見ると、拾って宝物にしたくなる人もいるかもしれない。

世界遺産であるカナダのグロスモーン国立公園には、岩どころか、蛇紋石からなる大きくて平な山がある。まるまる蛇紋石からできていて、テーブルランドと呼ばれている。数億年前に地下のマントルが地表に押し上げられたとき、二つの大陸の間にあった海が消えてしまい、地表に残されてしまって出来上がったらしい。

緑の岩の山にいってみれば……、

全く植物の姿が見られない。岩の成分が植物には有害だからだ。数億年たった今でも丸裸のままの山に立てば、不気味というか、やはり人間の肌には合わないような感じがした。

夏を待っているもの

life_in_maine_waiting_for_summer公園のあちこちには、夏には人間がいることを示す証拠があるものの、メイン州の冬は静か。みんな、フロリダに南下してしまったのか。(リード州立公園のグリフィスヘッドにて撮影)

彼と、彼女と見た水平線
どこかの大地の先に立ち
彼らは今も
かなたを見つめているだろうか

 

 

陸のやわらかな端

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©william Ash

ごつごつした花崗岩の岩場がほとんどのメイン州の海岸線にあって、リード州立公園には長い砂浜がある。この砂浜に立つと、陸と海の境目のあいまいさ、柔らかさに目をみはってしまう。冬の海なのに、優しい気持に包まれる。

竜ほどに大きな魚たち

竜は、水のなかにいる。海に、川に、雨の中にいる。

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©William Ash

むかし、川の流れに逆らって、滝を登ろうとした鯉の群れがありました。飛び上がっては、滝を超えようとしたのです。ところが、鯉の必死な姿をみた悪魔が、意地悪にも滝をさらに高くしてしまいました。でも、鯉たちはくじけませんでした。ひたすらがんばること一年、ついにその中の一匹が滝の上に登ったのです!これを見た神様はとても感動して喜ばれ、その鯉を竜に変えたといわれています。だから鯉は、強さと忍耐のシンボルなのだそうだです。(皇居の池にて撮影)

Photobook 2015

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©William Ash

Photobook 2015」のオープニングが、マサチューセッツの Griffin Museum of Photography で先日、行われました。この展覧会は3月6日までおこなわれ、私の写真集「Earth Water Fire Wind Emptiness: Tokyo Landscapes」 (地水火風空ー東京ランドスケープ)他、選ばれた本はオンラインで購入できます。この写真美術館では、ほかにも個展が同時開催されています。お近くの人は、ぜひ足を運んでみてください。

砂糖なしの黒豆チョコレートファッジ

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©William Ash

チョコレートを、昨年から手作りで作りはじめた。このレシピは、世界で最強のミキサーなる「Blendtec」のサイトからのものを、自分なりにアレンジし、砂糖なしにしたもの。固いチョコレートではなくて、ファッジといって柔らかめ。

黒豆が主な原料だから、ヘルシー(かな)。決めては、映画の「ショコラ」ではないが、少しチリを入れて味を引きしめること。上の画像のものは、黒豆をミキサーにかけてトロトロにしたけれど、豆が残るように荒めにかけたら、もちごめにくるんで「チョコレート黒豆おはぎ」にもできる。

Blendtedのミキサーは、ミキサーにしては高いし、しかもアメリカ製品ということもあって、2年もの間、買う価値があるのか迷ってしまった。でも、買ってみると便利だし使える。ともかく洗うのが簡単なのがいい。毎日使っても、負担にならない。

それに全粒粉の小麦粉も、自分で小麦を買って作ることができるし、お米もひいてパウダーにしてケーキやパンに使うことができる。ともかく、なんでもパウダーにすることができるのはありがたい。自分が使う料理の材料を、しっかり原料の段階から管理できるので、とても安心だ。庭の食べられ野草は、大量に乾燥させてミキサーにかけて粉にして、パンや料理に使っている。

さて、レシピはこちら

「砂糖なしの黒豆チョコレートファッジ」

(1 cup はアメリカの計量カップで、およそ240 ml )

3 cups 煮た黒豆
6個 乾燥させたデーツ、またはいちじくなど
2/3 cup ココナッツオイル
1 cups  製菓用カカオパウダー(良質なものを選ぶこと)
1/2 〜 2/3 cup  ハチミツまたは メープルシロップ
小さじ 1/5  チリパウダー
1 cup 好きなナッツ(オプショナル)

ナッツ以外は、みんなミキサーに入れて、好みの柔らかにする。そこにナッツを入れて、数回ポルス。それを、20センチx 20 センチの容器に流しいれて、冷蔵庫で2時間冷やしてできあがり。好きなサイズに切って召し上がれ。残りは、フリーザーで保存可能。