TWAムーンライナーの行方

カンザスシティーのダウンタウンをぶらぶらすれば、目に入ってくるこのロケット。名前は、TWAムーンライナー4号。TWAの本社だったビルの屋上にある。

TWA(トランスワールド航空)を知っているだろううか? かつては、パンアメリカン航空と並ぶ米国トップの航空会社だったが、2001年にアメリカン航空に吸収合併されてしまった。

初代のムーンライナー1号は 23 m もあり、1955年にディズニーランドのトモローランドに展示された。

ムーンライナー2号は、6.6 m と小型で、1956年にTWAの本社の屋上に置かれた。

経営者の交代もあって、ムーンライナー1号と2号は売却され、1号は1981年以来、行方知らず。

ところが、2号はその後、再発見されて修復され、カンザスシティーの国立航空博物館に展示されている。さらに、2006年に複製まで作られて、画像のように4号として、元TWAの本社の屋根に座を占めている。

昔の勢いをとりもどそうと、猛スピードで復興に意気込むこの町の未来のシンボルなのか。かつてのギャングと格差にあふれた町から、平和と平等に和む町へと高速で飛んでほしいものだ。

(ちなみに、3号が1998年にトモローランド用に作られ、 今でも Redd Rockett’s Pizza Port のとなりに立っているらしい。)

 

Life in a Box ~ 都会の巣箱

高層アパートに住んでいるせいか、ここカンザスシティーの暮らしは、森の中のメイン州の暮らしとだいぶ違う。まわりの建物は突っ立ったままだし、視界は、窓ガラスによって遮断されている。とても静的。ところが最近、太陽や天候によって、それらが微妙にかわっていくのが見えてきた。すると、巣箱のようなアパートの一室にいながら、同時にカンザスシティーという大きな森に棲んでいるような気がしてくるのだ。

スティールとコンクリート

ダウンタンにあるカフマンセンターは高台にあり、ガラス張りのロビーからは、町を一望できる。カンザスシティー交響楽団、カンザスシティーバレー団、リリックオペラなどの講演が頻繁に行われ、芸術の中心となっているが、かつてはリリックシアター(Lyric Theater) がその中心だったらしい。

Inside Out, Part 2 ~ 内が外側になる日 Part 2

リリック・シアター、カンザスシティーのダウンタウン 。

写真家に付き合うと、汚らしい場所にカメラを構えて待っている横で、いっしょにじっとしていなければいけない時がある。「いったい、これのどこがいいのかしら?」と、しびれを切らしながら疑問に思うことがよくある。

けれど、写真家は嬉しそうに言う。

写真というのは、光がすべてなんだ。物は、光を変えるだけだ。見てごらん、前の建物の窓ガラスに当たった夕日の光が、この古い劇場の外壁に反射して、日が沈むにつれて、階段を上っていくように見えるだろう。

Inside Out ~ 内が外側になる日

画像の取り壊しが行われている建物は、元はリリック・シアターと呼ばれた。カンザスシティーのダウンタウンにある。

最初は1929年にアララット寺院としてスタートし、当時で1億円以上のお金が建設に使われたが、1936年に6000万円以上の負債をかかえて抵当流れとなり、その後は赤十字の献血センターやテレビ局として使用されてきた。

カンザスシティーのダウンタウンには、こうして家主を転々と変えてきた古い建物がたくさんある。

Shinbashi, Tokyo ~ 東京、新橋

新橋は、となりの銀座よりも、庶民にとってはずっと親しみやすい町で、レストランや飲み屋の値段も、サラリーマンの味方。夕方は、「ちょっと一杯!」といったサラリーマンやOLの姿があちこちに見られる。画像は、いつもとはちがう週末の静かな新橋の夜の姿。人がひとり、ガードレールによりかかっている。

写真集「EARTH WATER WIND EMPTINESS ~ 地水火風空」by William Ash より