森の精霊 ~ 晩秋

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メイン州の晩秋は短い。
太陽が地平線に沈むと 、
冬の深いコバルト色だけが、森を貫く光となる一瞬がある。
そのとき、木の幹は、
白骨のような、上っていく精霊のような
冷たい光を発する。

アイダレッド ~ メイン州のりんごの季節

apples_ida_redアイダレッド(Ida Red, または Idared)は、生で食べてもおいしいし、料理にもいい。サクサクしているし、白い果肉に、うっすらとした赤みがにじんだように入っている。この赤みが、パイやソースにいい色を添えてくる。酸味があるがきつくはないし、保存もきく。

晩秋の静けさ Part 2

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この家に落ち着いて、自然から惜しみなく与えられたもののひとつは、それまで年に数回もわらのために刈り取られていた草原を森にもどそうと放っておいたら、野生のブラックベリーが生えて一気に広がったことだろう。おかげで、冷凍庫には春までもつぐらいブラックベリーの実がつまっている。ハチにさされながらも、最後の収穫をしたのは8月の終わりだった。今、ブラックベリーは紅葉し、日々しぼんでいくような草原に、みごとな彩りを添えている。

 

 

 

ブルー・ペアメイン〜メイン州のりんごの季節

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ブルー・ペアメイン(Blue Pearmain) は、おいしいデザート用のアップルだ。グレー・ペアメイン と同じ「ペアメイン」が名前についてはいるものの、その中身と外身は似ても似つかない。柔らかな食感にマイルドな味がする繊細なりんごだ。メイン州をはじめとするニューイングランドでは、200年以上にわたって、この固定種(heirloom)のりんごが栽培されている。

 

晩秋の静けさ Part 1

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2006年にメイン州にきて、4.5エーカーの敷地に立つ小さなケープ式の家に落ち着いた。ほとんどは森林だが、一部だけ小さな野原になっていて、毎年わらを作るためにそれまで刈り込まれていた。私たちが購入してから、森にもどそうということになってほっておいたら、いろいろな植物が生え始めた。晩秋のこの時期、アキノキリンソウがたくさんの種をつけている。それまでひときは目立っていた黄金色は、今やうすい青みを帯びた銀色へとその輝きをかえている。

むつ—メイン州のりんごの季節

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by William Ash

メイン州でみつけた日本原産のりんごは、むつ(Mutsu)とフジ(Fuji)。けれど、耐寒性区分Zone5のメイン州ではふじは育たない。結局、果樹園で買える新鮮な日本原産のりんごは、このむつだけ。大きくてサクサクしながらも、細やかな食感。味は甘いながらも酸味がある。どこの国で食べようとも、やっぱりおいしい。冬の間、買い続けるりんごのひとつである。

ウインターバナナ〜メイン州のりんごの季節

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by William Ash

ウインターバナナ(Winter Banana)は、好きなリンゴのひとつだ。大きく、皮はツルツルしている。際立つ黄色をしていて、ところどころ染まったような赤みをもつので、最初は目をみはる。サクサクして歯ごたえがあり、ちょっと酸味があり、わずかながらもバナナの味がする。アップルパイをこのリンゴでよくつくるが、煮崩れして、焼くとアップルソースのようになる。生でかじるのが、いちばんおいしい!

ゴールデン・ラセット—メイン州のりんごの季節

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by William Ash               画像をクリックすると拡大されます。

メイン州にはたくさんの果樹園があり、スーパーでは買えない珍しい種類のりんごが売られている。数年前、私はずっと探していた「ゴールデン・ラセット」をついに見つけた。こうした固定種(heirloom)のりんごは、アメリカでもめったに出会えない幻のりんごだ。

最初にこのりんごの名を聞いたのは、イギリスに長年住んだ夫の家族からで、「味は説明できないけど、おいしい」というものだった。実際、自分も食べてみて感じたことは「こんなりんごは食べたことがない」ということだった。小ぶりで、梨のような外見からはちょっと想像ができない。派手な味ではないのに、しっとりと甘い。あえていえば、高級感のある味なのに、大地の味がするというのか? それに、この食感は何なのだろう?

保存がきき、デザートアップルとして食するだけでなく、アップルサイダーにも使えるゴールデン・ラセット。待ちかねる晩秋の味覚のひとつである。