Full Moon over Buck Lake ~満月の湖上

今、あるプロジェクトのために忙しく、休憩といえば、夜風に当たりに外にちょっと出るだけの生活をしている。この一週間は、夜空は雲もなく晴れて、今夜は満月と重なった。

レンズを通して見る夜は、目がとらえる夜とはちがう。人間の目は、光のレベルがある点よりも下がると、色を認識することができない。でもカメラはできるから、映った画像は、日中に撮影されたものと変わらない。月の角サイズが、太陽と同じで、月が色を変えることなく、日光を反射するからだ。「昼の湖上」という幻想を打ち破ることができるのは、空にかすかに見える星だけかもしれない。

Spanish Moss (サルオガセモドキ)

©William Ash

サルオガセモドキ (英名:Spanish Moss、学名:Tillandsia usneoides)は、南部のいたるところで見られる。英名が「スペインゴケ」なので、コケのように思われるが、実は花をつける植物。寄生植物だけれど、ただ木から垂れ下がっているだけ。

それぞれの個体は小さいが、互いにもつれあって下に長く伸びているので、大きな植物体に見える。薄暗く、沼地のような森では、かなり不気味に見える。でも、20世紀初期には、車の座席のクッション材として使われたというから、見る人間の視点によって、植物も違って見えるらしい。

In a Field, Revisited ~ 牧草地、再び

前のブログの記事で、この木の写真をのせたことがある。あのとき裸のこの木を見て、ハリケーン・イルマのせいだろうとは思ったが、どうも本当にそのようだ。植物の再生をみることは、うれしい……。あの力、勢い、歓び、そして調べ。

Alien Landscape, Part 1 ~ 異質な風景 Part 1

©William Ash

自分にとってフロリダの景色はとても異質で、どこかにまだ相いれないものがある。自然光の中で撮影してきたけれど、この土地を理解していないせいだろうか、なかなか難しい。むしろ、この土地から自分が感じるものは、赤外線撮影で得られたイメージのほうが近い。

The Aftermath of Irma ~ イルマが残したもの

9月10日11日にかけて、ハリケーン・イルマがフロリダを縦断した。あれからひと月近くたつのに、今でも復旧作業は続いている。Brevard郡のセントジョンリバーの近くでは、画像のとおり、道路は通行禁止状態。水が引くのは、いつのことか。

Shitamachi~下町

東京は、日本でもっとも近代化された都市とされ、風景は絶え間なく変化している。ところが、開発の波をうまく逃れてきた地域もある。たとえば谷中。大好きな下町だ。

谷中は、今ではよく知られた下町だが、かつては農家が点在する山林地にすぎなかった。ところが、そんな場所を変える事件が起きた。1657年の明暦の大火だ。江戸の65%が焼けて、10万人が亡くなった。この大火事の火元はお寺と言われ、徳川将軍によって多くの寺が、江戸の北に移された。谷中は、このお寺大移動によって生まれた町のひとつだった。写真集「EARTH WATER FIRE WIND EMPTINESS ~ 地水火風空」より。