First Snow ~ 初雪 2016

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©William Ash

目覚めてみれば、窓の外は白。初雪となった。みぞれ程度で終ったけれど、これまで暖かな秋を安穏とすごしてきた身にとっては、いきなりきただけに、つらい冬の洗礼だ。ブラックベリーの枝はしなだれて、8月のあの元気な姿はどこへやら。

Fading Light ~ 消えゆく光

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©William Ash

もう4時半になると日が暮れる。夏には、空からゆっくりと光が引いていったものだったが、今は太陽が沈んでしまえば、光には大地を照らし続ける力など残っていないので、どんどん辺りが暗くなっていく。この酷なる残照の美しさは、まぎれもなく冬の到来が近いことを告げている.

Transitions 〜 移り変わり

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©William Ash

森は、それぞれのペースで移り変わっていく。画像のように、家の裏の森でも場所それぞれに微小気候(microclimate)という固有の気候環境があり、移り変わっていくスケジュールもそれによってちがう。最後に葉を落とすのはブナと柏だが、ブナの場合は、春になって芽吹く頃まで葉をつけている。

晩秋の森は、美しい。樹々が葉を、深い琥珀色に輝かせながら大地にもどして眠りについていく。樹々から太陽への深い感謝が感じられる。

Autumn Rain ~ 秋雨

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©William Ash

秋の庭は、刻々と色を変えていく。同じ庭でありながら、自然とともに移ろっていく。目まぐるしい変化をみせて、冬の眠りにつく。

でもこれは、広葉樹だけのことではないらしく、ずっと前にある植物の本で読んだことだが、トマトなどは種のときから枯れていくまでに、すべての色を経験していくのだそうだ。観察力に乏しい自分の目には緑にしか見えないのに、実は外見の形はもとより、色までもどんどん変化させまくって、一生を終えていくらしい。

あっぱれかな、トマトさん。

遍路道を三周して学んだ大切なことのひとつに、「すべては絶え間なく変化していて、人間も自分も、同じように変化し続けている」ということがある。それが本当の姿なのだと、ただ道を歩いていただけなのに、子どものように感じた。実は、みんな、トマトだった。すべては変化し続ける。前と同じような色に見えても、実はちがう。英語でいえば、Life goes on!  となり、米国でのトヨタの宣伝文句を使わせてもらえば、Moving forward! というところだろうか。

Winter Milky Way Rising ~ 冬の天の川

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©William Ash

晩秋のメイン州、日は短く、夜は深くなっていく。買い物からもどって車から降りれば、木立の向こうを天の川が流れていた。中央の木のすぐ上にあり、白い点が集まったように見えるのは、プレアデス、昴だ。画像の下あたりには、オリオン座が見える。(画像をクリックして、拡大してご覧ください)

Fall Salt Marsh, Part 2

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©William Ash

リード州立公園の湿地は、今、紅葉の季節を迎えている。紅葉する湿地の美しさにはじめて触れたのは、1991年だった。「湿地」という言葉から連想され汚いイメージが、一気に消えた。湿地は、冬も雪をかぶって美しい。多くの生物の住処として大事な役割を果たしている湿地。人が足を踏み入れることができないということは、幸いなことかもしれない。

Fall Salt Marsh, Part 1

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©William Ash

Beyond the beaches at Reid State Park.

リード州立公園の海の横には、海の水による塩性の湿地が広がっている。草紅葉という言葉があるが、紅葉する湿地の風景は、その細やかな草のせいか、まるでゴッホの筆さばきを思い出させる。