Bates International Poetry Festival 2011 に参加して

8月6日のブログで紹介した Bates International Poetry Festival 2011 (ベイツ インターナショナル ポエトリー フェスティバル 2011)ですが、ロシア語、ドイツ語、スペイン語、フランス語、英語、日本語で詩が朗読されました。朗読というと静かなイメージしかありませんでしたが、

ロシア語の凍てつく広大な大地を踏むような力強さ、
スペイン語の連続平手打ちを食らっているようなパッション、
フランス語のおしゃれに気まぐれな抑揚、
英語の油断のできないシャープな流れ。
そこに、私のおっとりした日本語が加わって‥‥。

私は英語しかわからなかったのですが、それぞれの言語がもつ音としての魅力に目から鱗でした。

異彩を放ったのは、ドイツ語の詩人で、大学でドラマを教えている3カ国語がはなせるルーマニアの方だったのですが、これがまた芸術的で、詩で一人舞台をされました。椅子やテーブルをたたいたり、ピアノの鍵盤をつかうだけで、とても洗練された短いドラマを、詩でやってのけたのです。そのシンプルさときたら、ちょっと禅のような感じでした。

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他の言語の朗読をきいてみて、日本語は、話し方にもよるものの、つくづくのんびり空をゆく雲のように角がない言語だと思いました。今回のヨーロッパ圏の言語の中では、調子のちがうエイリアン的言語にさえ感じ、今更ながらですが、日本語を音として好きになりました。

それぞれの詩人の朗読は、ベイツ大学の関連サイトでも動画でみられますが、その場の臨場感が動画となると感じられないので、ちょっと残念です。生はやはりちがうので、フェスティバルから2年近くになりますが、ときどき英詩の朗読会にいくようになりました。

フェスティバルに参加した各詩人の詩、およびその英訳、さらには詩の翻訳に関するエッセーなどをもりこんだ「Translation:Bates International Poetry Festival 2011」は、Apple iBookstoreから無料でダウンロードできます。次のリンクをクリックしてください。Translations – Claudia Aburto Guzmán & William Ash

by 大坪奈保美