ワシントンDCの風景 ~ Arts and Industry

スミソニアン芸術産業館(Smithsonian Arts and Industries Building)は、展示会場として1881年にオープンされた。昨年は改装中で閉鎖されていたが、今年になってやっと再オープンしたので行ってみたら、最先端の未来的飛行機や車、電車をはじめとしたいろいろなものが展示されていた。

フロリダで、NASAから打ち上げられたロケットが空を上昇していくのを初めて見た時、あまりの美しさに、ロケットというものは芸術作品なのだと開眼したけれど、この芸術産業館に並んでいるものたちも、同じような思いを抱かせてくれた。エンジニアの人たちは、アーティストなのだな。

家族連れで楽しめる展示場なので混雑していたが、建物自体そのものも、また面白い。必見の価値あり。

ワシントンDCの風景 ~ National Archives

©︎William Ash

国立公文書記録管理局ビル( National Archive Building, Washington. DC)。政府の書類と歴史的価値のある資料を保存する公文書館は、全米に33か所あり、ここが本館。ナショナルモールにある。Click on the image for a larger view.

ワシントンDCの風景 ~ ローリー・アンダーソン展

©︎William Ash

ハーシュホーン美術館( Hirshhorn Museum)では、今、ローリー・アンダーソン(Laurie Anderson)の個展が行われている。

これが、奇抜でないのに、ど迫力。
彼女の精錬な鬼才が生んだ作品が、部屋から部屋へと続いている。

個展といえば、作品が淡々と並べられているのが普通だが、この個展はそんなつまらないものではない。

アンダーソンが生んださまざまなジャンルの作品を、彼女自身が、この美術館用に再構築して作り直している。だから、壁や床などスペース全体が、生き生きとしたパワー溢れる空間となっている。

アンダーソンは、過去50年の間、アメリカで最もクリエイティブな芸術家の一人と言われている。私は知らなかったのだが、ファンになってしまった。

芸術家というものは、一度成功すると、メディアやキュレーターの枠にはめられ、そこから出れこれなくなるものらしい。

ところが、アンダーソンはそんなものに負けていない。面白いと思ったら、どんどん壁を取っ払って挑戦している。それでいて、Yutubeで話す姿は静かで知的。

彼女のインスピレーションが、音楽、照明、絵画、詩など、自由自在に表現、展開されていくのを見ると、ある種の解放感に心が満たされる。こちらの脳も刺激を受けるようで、個展を見終わった時には、「一体、何を見たんだろうか?」と嬉しい疑問が残る。

ローリー・アンダーソン展は、7月まで

彼女は、1986年に日本で講演を行ったらしい。私も東京にいたというのに、この人の貴重なコンサートを見逃してしまった。最も、あの頃の私なら、彼女の魅力は分からなかっただろう。

 

Click on the image for a larger view.

ワシントンDCの風景 ~ ハーシュホーン美術館

©︎William Ash

ハーシュホーン美術館(Hirshhorn Museum)は、ワシントンDCでも最も好奇心をそそる現代アートの美術館で、人気が高い。ともかく、建物や中の構造がユニークだ。

私は、現代アート嫌いだ。ただ単に奇抜なだけ。

でも、夫に「ローリー・アンダーソンの個展をやっている。面白いと思うから行こう」と言われて出かけた。

さて、その結果は…..、続く

 

ワシントンDCの風景 ~ 動物園の一日

パンダ見たさにスミソニアン国立動物園に足を運んだとはいえ、動物園は好きではない。檻の中の動物を見るのは、悲しく心苦しい。

特にゾウさんを見ると、頭が良く、家族を大事にする動物だけに、かわいそうでたまらない。

でも、これは私の無知なバイアス的感傷に過ぎなかったようだ。

というのも、この動物園には5頭のアジア象がいるが、元々はスリランカのピンナワラ・ゾウ孤児園にいたり、他の動物園で飼育できなくなったのでここに引き取られたゾウさんたちだという。

中でも有名なのは、2020年に72歳という高齢で亡くなった雌の象 Ambika 。

Ambika は、8歳の時にインドの森で捕えられ、木材の運搬に使われたが、1961年にインドの子どもたちからの贈り物としてこの動物園にやってきた。

それから59年の間、この動物園で暮らして一生を終えた。彼女を通して、アジア象の研究が進み、アジア象を絶滅から救い保護するためのキャンペーンガール的役割もしたという。

30年ぶりで行ってみた動物園は、昔のような地球のどっかから「誘拐してきた」珍獣のショーケースではなく、「種の保存施設」になっていた。

どうりでこの動物園の至る所に、「我々は種を保存しています(We save species.)」という看板が立っているわけだぁ。

 

ワシントンDCの風景 ~ パンダに会えた日 Part 3

スミソニアン国立動物園のパンダ舎のコマンドセンター。

左上スクリーンは雌のMei Xiang、右上は雄のTian Tian、中央のは子供の Xiao Qi Ji。

私たちが舎を訪ねた時にXiao Qi Jiの姿が見えなかったが、スクリーンを見たところ、奥で昼寝中だったようだ。

パンダに会えた日 Part 1 はこちら

パンダに会えた日 Part 2 はこちら

ワシントンDCの風景 ~ パンダに会えた日 Part 1

ずっと行きたかったスミソニアン国立動物園に、やっと行けた。お目当ては、パンダ。子供が1頭、大人が2頭いる。画像は雄のTian Tian。

この日に会えたのは、大人の2頭。DCの冬はパンダにとっては寒いので、室内にいる。

でも、雪も好きらしい。2021年1月末にDCに積雪があった時、彼らが雪の上を楽し気に転げ回る姿が世界中に流れた。

ぬいぐるみでないのが不思議なぐらい、パンダという生き物は可愛い。1972年に上野動物園にきたランランとカンカンも見たことがあるが、すごい行列でほとんど見えなかった。

上野ほどではないが、この動物園でも見物客はグループに分けられて中に案内された。結局、数分しか見ることができなかったが、ガラス越しとはいえ、間近に見られたのが嬉しい。高齢らしいが、毛並みも良く、とても元気に見えた。

人間はやはり動物だな。こうした可愛い動物の貸借を通して、友好関係を強調する。かつては王族は、世界の王族間で結婚をさせて勢力を伸ばしたものだが、今はこんな無邪気な生き物が、ちょこんとDCの動物園で竹を食べて米中の友好に貢献をしている。

パンダの魔法が、永遠に続きますように。