メイン州の詩 ー 晩秋のカントリーライフ

 

マグカップをにぎって 朝の庭を歩く

足下の土は 日に日に固くなっていき

バードフィーダーは アメリカコガラに占領され

その下では ドバトがのんびりと 落ちた種を拾うように食べ

シマリスが ほほをいっぱいにしながらも

まだ大急ぎでえさをつめこんでいる

しかし まだ やつの姿はない

今のうちに あの低木を切ってしまおうか?

最初はやせていて 狩りもへたくそ

厳寒の中 バードフィーダーの下に当然のように座っていた

それがこの数年 晩秋にひょっこりとどこからかもどってきて

あの暗い低木の下に潜むことを覚えた

地面のえさに気を取られて

ふらふらと迷い込んできたものに飛びかかり

庭のどこかへいって ひとりでゆっくりと食するようになった

あー いやだ いやだ

ただでさえ寒い冬 わが庭でそんな血が凍るような光景は見たくない

今 低木を切ってしまえば きっとやつもいなくなる

しかし やつは‥‥おそらく‥‥野ネズミもとってくれている‥‥

屋根裏にはいってきて

煙突のまわりに 小さなふかふかのベットをつくって

ぬくぬくとする野ネズミたち

やつなら ねずみ取りにもかからない頭のいいネズミもとれるはず

あー こまった こまった あの黒猫め!

コーヒー片手に散歩を楽しもうと思ったのに

私の頭は 今朝もまた木の下をにらんで 堂々巡りをはじめた

by 大坪奈保美 ©Naomi Otsubo 2013

 

(注)ひとつ前のブログもご覧ください

 

 

晩秋の静けさ Part 1

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2006年にメイン州にきて、4.5エーカーの敷地に立つ小さなケープ式の家に落ち着いた。ほとんどは森林だが、一部だけ小さな野原になっていて、毎年わらを作るためにそれまで刈り込まれていた。私たちが購入してから、森にもどそうということになってほっておいたら、いろいろな植物が生え始めた。晩秋のこの時期、アキノキリンソウがたくさんの種をつけている。それまでひときは目立っていた黄金色は、今やうすい青みを帯びた銀色へとその輝きをかえている。

メイン州の初秋

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by William Ash    写真をクリックして拡大してご覧ください。

初秋は、好きな季節だ。りんごの収穫がはじまり、それでいて、庭にはまだトマトがなっている。しかし、なんといっても美しいのは森。深い琥珀色と赤色にそまる晩秋の森もいいが、鮮烈なイエローとゴールドカラーが、まだ緑色のままの木々の間で生き生きと生える初秋の森の姿は、命そのものにあふれている。

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by William Ash     写真をクリックして拡大してご覧ください。

*写真について
ドキュメンタリーの写真を撮ることをしてきたので、このブログにのせる写真も、カメラのフルスクリーンに映ったものそのままを載せています。画像のコントラストに手を加えるぐらいのほかは、クリッピング、加工や修正等は一切していません。

Futon Daiko - William Ash

 

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