Tracks ~ 足跡

©William Ash

夜、ニューファンドランド犬のHikariを○○○のために出すとき、聞こえてくるのは木立を抜ける風の音ぐらいなものだ。夏にはスカンクの臭いが微かに漂うこともあるが、多くの野生動物は我が家の大きな犬を恐れて、家の近くまではこない。

ところが先日、Hikariを外に出したとたんに、雪の上を森へと逃げていく大きな足音がした。向こうも驚いたようだが、それはこっちも同じだ。「何者だ!」と言ったところで、あたりは真っ暗。しかも正体不明の足音は、途中でパタッと止まってしまった。まだ近くにいて、こっちの様子をうかがっているのだった。もう気が気じゃない。コヨーテだったら、ニューファンドランド犬でも危ない。

でも、翌日に見つけた足跡から、それがベジタリアンであることがわかった。しかも、3頭もきていたようだ。この季節に鹿の小さな群れを見ることはあるが、家から10mぐらいのところまでくるとは、相当、お腹が空いているのかな? お願いだから、果樹の新芽だけは食べないでおくれ。