Winter Fields ~ 冬の野原

©William Ash

夏の夕暮れには、野生のブラックベリーをワクワクしながら摘んだ野原も、冬は近づき難い。何もないから、つまらないというわけではない。夏の楽しい思い出が、心のなかに親しい思いを作り上げていて、期待にも似た淡いその思いを持って野原の入口に立てば、こちらのことは鼻にもかけないといった感じで厳寒と向き合っている。春にもどってくるはずの渡り鳥が、季節をまちがえて来てしまったみたいな感じがして、しょんぼりと引き返す。