アーカディア国立公園にあるキャデラック山頂に大の字になって、夜空を眺める……その夢がやっとかなった。
山頂は、夜空が綺麗な秋でも気温が低く、とてもそんなことはできないと思っていたのだが、コロンバスデーの日はインディアンサマーとなり、風もなく、夏の終わりのような晩となった。
まだ、天の川が見えた。不思議なことだ。寝ながら宇宙を眺めていたら、映画の「コンタクト」じゃないが、こんなに小さい自分なのに、こんなに大きなものの一部であることがうれしくなってきて、どこか明るい気持ちになった。昼間の自分が、いかにも孤独に思えた。
天文への興味から星を眺める生活をする人たちは、みな言うらしい。
「人間がみなこうして、夜に、宇宙を眺める生活を始めたら、人間社会はもっとちがうものになるだろう」