王女のレースと毒草—食べられる庭から

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©William Ash

英名 Queen Anne’s Lace は、その名(アン王女のレース)にふさわしい美しい白い小花をたくさんつけている。野原に広がっている姿は、清廉そのもの。学名は「 Daucus carota」で、和名は「ノラニンジン」。

二年生で、かつてヨーロッパで食用として栽培されていた歴史をもつりっぱな野菜だった。今のニンジンの祖先らしい。現在では、根や葉にある薬用効果も認められている。ところが、これにそっくりな強い毒草があり、しかもいっしょに咲いていることがあり、とても危ない。

この紛らわしい毒草の学名は Aethusa cynapium、英名では fool’s parsley とか fool’s cicely、poison parsley などと呼ばれる。メイン州でもまちがってこれを食べて、重傷な中毒をおこす人がいる。

下の画像のふたつの花の違いがわかるだろうか。上が食用の Queen Anne’s Laceで、下が毒草のfool’s parsley。どうやって見分けたらいいのか? これでも、見分けがつきやすい花をサンプルとして庭から選んできたのだけれど…

edible_weeds_queen_annes_lace_2決め手は、花の中央の小さな、小さな紫の小花。これがあれば、食用の Queen Anne’s Lace。そして、根をひっこぬいて臭いをかぐ。食用のほうは、ニンジンのような臭いがする。といっても、自分は根の臭いの違いはよくわからなかった。毒草を食べそうになった経験から言えるのだが、絶対に、専門家に相談してから野草は食べよう。そして、ひとつひとつチェックをしよう。

庭では両種がいっしょに咲いているので、危なくて、今でもなんとなく手を出す気がしない。一応、食べ方をあげておけば、Queen Anne’s Lace (アン王女のレース)の扱いは、ニンジンとほぼ同じ。一年目の根をスープや煮物、お茶にしたりする。根は、根菜類のなかではビートの次に糖分が高いという。同じく一年目の葉を生でサラダに入れたり、炒めたり、スープにまぜたり。花はフリッターや天ぷら、生でサラダに散らしたり、お茶にしたり。また種も、スパイスとして使える。

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