今年の秋は、おだやかだ。例年なら初霜が、9月の終わりか10月のはじめにおりるのだが、まだそれがない。空からふってくる落ち葉の下で、わずかだがたんぽぽが春先のように咲いて、蜂が、我先にとやってくる。
このマルハナバチが、たんぽぽの上に陣取って二日がたった。花が閉じると、閉じた花の側面にひっついてじっとしていて、翌日に太陽が照って花が開くと、まとこうして花の上にのっている。
蜂はきっとこのたんぽぽを、駅に選んだのだ。もうすぐ虹のかけ橋が、この花におりてきて、花粉をおしりにたくさんつけたまま、蜂はそれをわたっていくのだろう。
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