アメリカ国内の引越 Part 6 – 2 ~ 州から州へ1770キロの引越


中西部のミズーリ州から東海岸のワシントンDCへ

Part 6-1 につづき、

はじめて全面的に引越業者にお願いをした結果をお話します。

引越し準備中のミズーリ州のアパート

12月28日 ミズーリ州カンザスシティ側

ガラス戸付きの家具は、UHAULの Paper Pads を使って包むように守り(画像の右)、ダイニングの椅子は UHAULのXL の箱二つを使ってその中に収納するなど、完璧にこちらでパッキングして引越業者を待った。

約束の時間は、午後1時~5時だった。

ところが、1時半になってもこない。

やっと

午後3時すぎたころ、

若者二人が 26 feet の Budget のトラックで到着。

午前中の引越がのびた上に、トラックのレンタルに時間がかかったらしい。

 

そして

二人が積み終えたのは、8時過ぎだった。

カフマンセンターの窓ガラスに映るカンザスシティーの夜景 ©William Ash

 

時間がかかった理由は、

たった二名だったから ✙ 箱が多かったから。

普通は、一人はドックにいて、運ばれてきた荷物を積める役目をし、残りの二人が荷物を運ぶ。

でも、二人しかこなかったので、本用の小さな箱が多いとはいえ、300個の箱と家具を二人で運ぶのに、予想外の時間がかかっていた。

すでに午前中にひと仕事をしていたせいか、5時をまわったころから、二人には疲労感が漂いはじめたので、ドリンク、チョコレートやミニケーキを出したら、とても喜ばれた。この後も、夜に仕事があるといっていた。

午後8時をまわったころ、ほぼ満タンに荷物がつめられたトラック (長さ 26 feet) が、アパートのドックを出ていった。

このままトラックにカギをつけて荷物を保管して、二人のうちのAさんがDCまで運転してきて、荷下ろしをしてくれるという。

 

(良かったこと)

・二人はとても感じがよくて、バイトではなくてプロだった。

時間はかかったが、安心して見ていられた。

大型家具を何一つ解体しなくてすんだのが、ありがたかった。

 

(イマイチだったこと)

・ドックにはだれもいないので、セキュリティーカメラがあるとはいえ、外部の人が入ってきて、トラックに入っている荷物を盗みはしないかと心配した。

・カードで支払おうとしたら、Aさんが言った。
「聞いてますか? カードだと3%の手数料がかかりますよ」
電話で受け付けた人が、はじめからそれを言ってくれていたら、小切手を用意できたのに。この手数料の説明がなかったために、174ドルが追加となった。

 

(教訓)

・引越の時間帯は、朝一番を選ぼう

そうすれば、約束の時間に遅れる可能性は少ない。
幸運にもこの日は、アパートのドックに5時以降の予約が入っていなかったから、8時まで使用できたが、もし他の人の予定が入っていたら、どうなっていたことか。

・余計な手数料を取られないように、費用の支払い方法を最初に確認しよう。

 

荷下ろしが終わった当日のワシントンDCのアパートのリビング

 

1月2日 DC側

朝、カンザスシティーからDCまでトラックを運転してきたAさんが、約束の時間に現れた。

荷下ろしには、DCの地元の運送業者から人を雇っていて、その人たちをドックで待っていた。

携帯を片手にヤキモキしていたが、やがて3人のヒスパニック系の男性が到着。二人は元気のよさそうな若者。一人は50代のおじさん。

今回は、なんと合計で4人もいる!

Aさんがトラックに残り、他の3人がアパート内にどんどん荷物を運び入れたでの、2時間ちょっとで終わった。

DC側の助っ人の3人のうち、若者たちはとても感じがよくて元気だった。しかし、おじさんはすぐに疲れてしまい、見ているこちらが気の毒になってきて、夫がアパート内で何回も手をかした。

 

(良かったこと)

家具には傷一つなく、盗難もなく、完璧だった。

・箱にも、蹴られた痕跡が全くなかった。

・4人(実質3人に近かったが)もいたので、箱が多い割には時間内に終わった

・旧式の狭いエレベーターだったにも関わらず、大型家具をうまく運んでくれたので、解体しないですんだ。

 

(教訓)

アパートの引越専用エレベーターの寸法やドアの大きさは、必ず前もって調べておこう。古いビルは、予想外に小さいので要注意。

 

さて、チップや保険、ホテル代、ガソリン代なども入れて
今回の引越にかかった費用は?

つづく

 

ワシントンDCのアメリカ合衆国議会議事堂 ©William Ash

アメリカ国内の引越 Part 6 – 1 ~ 州から州へ1770キロの引越

カンザスシティ嵐が去っていく夕暮れ ©William Ash


中西部のミズーリ州から東海岸のワシントンDCへ

2020年末に、ミズーリ州カンザスシティから、ワシントンDCに引越した。地図上で言えば、アメリカの中央の一点から、ほぼ真横に一直線を引き、大西洋につきあたった場所に移った。

距離は 1770 km (1100マイル)で、東京―大阪間 509 km の3倍強。

今度の引越は急に決まったので、引越までひと月ぐらいしか準備期間がなかった上に、コロナ禍。そして、年末のクリスマス休暇にかかっていた。

「また引越しするの?」

どのような引越方法を選ぼうか?

1.Part 4のようにトレーラーによる引越は、不可。

またアパートになることは間違いないから、荷を下ろすドックの使用時間を限られてしまい、トレーラーを置きっぱなしにできない。

 

2.UHAULトラックのレンタルも、不可。

大型家具をまた買いもどしてしまったので、20 feet のUHAULトラックでは小さすぎ。かといって、それ以上の大型トラックをレンタルして、夫がワシントンDCのクレイジーな道路を運転するなんて無謀すぎる。本人はやる気満々だったが、私が猛反対。

よって、

引越専門業者を頼むことにした

ところが、

簡単にいかなかった…。

まず、グーグルで state to state moving とか適当に打ち込んで検索をかけ、出てきたうちのひとつに見積もりを頼んでみた。ほんの軽い気持ちだった。

これがいけなかった。

30分もしないうちに、
携帯にテキストメッセージと電話の嵐。

いろいろな業者から、うるさいぐらい「連絡をお待ちしています」みたいなメッセージが届いたり、電話がかかってきた。

電話にも出てみたが、

最初の業者はフロリダからで、「3500ドルでできます」。
安すぎる。。。どんな家具があるか、箱の数はどれぐらいか、とかは一応は聞いてはきたが、家具の大きさも気にしていない。
怪しいので「検討してからお返事します」といったら、「今だけの値段ですよ。この次からは上がります」と脅迫じみた声になった。この態度の豹変によって、「お断りします」と却下。

次に、Allied の人から電話がきて、「4700ドルで、どうでしょうか?」
この人は、NYから電話をしてきた。Allied といえば、引越業者としては有名だし、信頼もおけるかもしれないとは思ったが、即答はさけた。
(あとで、この人ではなくて、カンザスシティの地元の Allied に見積もりを直接とって愕然とした)

3件目の電話もフロリダからで、「3700ドルでできます。」
こちらは家具の寸法を細かく聞いてきた。箱の数は150個としておいた。「当日に箱が一つ追加されると、一つにつき10ドル追加されます」と言われた。また、「ひと月間、保管も無料」。
詳細な見積もりもおくってきたし、とても感じがよくて、危うく頼むところだった。

ところが、

もっとよくグーグルをしてみれば、

・これらはみんな仲介業者にすぎないこと。
しかも、フロリダにはこの手で詐欺まがいの商売をする人が多い。

・仲介業者から任された運送業者が、「荷が予想より多い」といって、荷物を人質にとって過大請求をしてくる。「ひと箱追加するたびに10ドル追加」というやり方は、危ない印かもしれない。

・金額が安いのは、途中でトラックを詰め替えるからであり、その間に盗難が発生したり(友人は、絵画を盗まれた)、到着日程がいい加減。

これを知ってしまった時点で、ほぼ神経衰弱になりそうだった。

日本の引越業者のすばらしさよ。あの日本の水準を知ってしまっている故の、この苦しみ。

もう、お金にいとめをつけている場合ではない。

心の問題のほうが、更年期になってくると大事。

 

だから、以下の3つの心配だけはしなくていい引越をしたい。

追加請求
盗難
日程の不透明さ

 

この3点をクリアするには、

いったいどうすればいいのか?

Kansas City, sas City, ©William Ash

 

評判と信頼こそが命の
地元の業者」を雇うしかない!

「地元」のカンザスシティの引越業者を調べてみれば、DCまで輸送してくれ、かつ yelp での評価が5星の会社を二つみつけた。

(1)Moving Pros

(2)Forrestor Moving

 

さっそく見積もりをとってみると、

(1) Moving Pros

・2LDKで、税込みで5500ドルの固定料金

・26フィートのトラックに詰め放題。だから、家具の大きさとか箱の数など気にしなくていい。ばんざ~い! これなら安心。

・トラックは自社のものではなくて、レンタルしてワシントンDCまで荷物をはこび、従業員は飛行機でもどってくるというやり方らしい。荷の積み替えも当然、なし。

・ただし、保管はできないから、アパートの入居日がのびたり予定変更があったら、自分たちで倉庫を借りてくれと言われた。これが面倒だ。

 

(2)Forrestor Moving

・2LDKで、税込みで7000ドル
但し、26フィートのトラック4日分、荷物を積めるのは3人3時間分、下ろすのは3人2時間分の料金。これ以上に時間がかかった場合は、一人当たり1時間50ドルの追加料金がかかる。

・自社のトラックを使用し、荷の積み替えなし。

・保管も可で、温度調節のきく倉庫3種類があり、ひと月200~400ドル+手数料200~400ドルで借りられる。Good!

 

ついでに、

(3)地元の評価は3星だったが、大手だったので、カンザスシティのAlliedの支店に直接電話をしてみたら、

・途中で別のトラックに積み替える
・到着日はトラックの都合次第

これは、上で述べたNYの仲介業者を通した Allied のやり方と同じ。
仲介業者なしだから、せめて料金が下がるかと思ったら、

見積額を見て、目玉が飛び出そう…になった。

・保管なしのストレートの引越の場合、8800ドル。
・ワシントンDC側で一カ月保管するなら、保管料込で 14,124ドル
・カンザスシティ側で一カ月保管するならば、保管料込みで 10,562ドル

もしかしたら、年末に仕事を頼まれたくないから、
こうした高額な金額を要求してきたか?

そう疑いたくなるような金額だ。
NYの Allied の仲介業者が提示してきた4700ドルとは大違い。

 

よって、

当然のこと、Moving Pros に決めた。

理由は、

1.リーズナブルな料金

2.固定料金だから、労働時間を気にしなくていい。

3.トラックの積み替えがない ← 大事

 

ところが、

 

 Moving Pros に11月後半に見積もりをとったときに、

「1週間後までに確定のお電話をいただければ、結構ですよ」

と言ったので、他の手配をすべて済ませて、1週間後に予約確定の電話をいれれば、

「もう他に予定が入っているのでできません」

失神しそうになった。カンザスシティのアパートは、もう次の入居者が決まっていて延長はできない。かといって、28日よりも早めに出たら、ホテル滞在とか倉庫をかりなくてはいけない。その上、クリスマス休暇がかかっている。

かなり面倒なこと…になった。

しかし、

夫の口調が荒くなって、
電話で言い返した(よくやった!)

「どういうことだ。『返事は1週間後でOK』と言ったのはそっちだぞ」

すると、

「ちょっと待ってください。運転手に確認をとってみますから」

電話を切った。

5分間後、

また電話がきて、

「大丈夫です。ただ、運転手の都合で、ワシントンDC到着日は、12月31日ではなくて、1月2日になりますので、二日間分の追加のトラックレンタル料金300ドルを支払ってください」

いとも簡単に言った。地元もあてにならない…。

しかも、前に見積もりをとったときには、

「保管はできません」と言ったくせに。

これが、アメリカ……。

 

ただ、アメリカの水準から言えば、

これでも

良心的に対応してくれた方にちがいない。

 

本当は、「保管料はそっちで払え」と言いたかったが、もうここまでの間にかなり精神を消耗していたのでしぶしぶ承諾した。

こうして、やっと引越業者が決まった。

 

さて、DCではトラックが到着するまで、どこに滞在しようかな。老犬もいるし、コロナが充満していて、ホテルになんて長く滞在していたくないのだよ。

つづく。

 

Planet of Kansas City  ©William Ash

アメリカ国内の引越 ~ Part 5 再び州を超えての引越

引越5回目 フロリダ州からミズーリ州へ

 

2018年に、北米大陸の東南端のフロリダ州から、北米大陸の中央にあるミズーリ州カンザスシティに引越をした。車で17時間。およそ 2100 ㎞ (1304 miles)。参考までに、東京から大阪まで509 ㎞。

©William Ash フロリダの海岸

さて、困った。

トラックを着ける「ドック」というものがアパートにはあり、4時間ぐらいしか荷下ろしの時間をくれない(少なくとも、私たちのアパートではそうだった。)もちろん、コンテナやトレーラーを駐車場におきっぱなしになんて、させてくれない。だから、Part 4 のようなトレーラーでの引越は不可となった。すごく残念。

よって、

またUHAULトラックをレンタル
(夫が運転し、私はプリウスであとからついていく)

荷物の積み下ろしは、引越業者を雇う

という新しいパターンにトライした。

 

私がついに引越前に運転免許をとったから、犬と義母といっしょに、プリウスで夫の運転するトラックの後を追いかけ、義母は引越の手伝いと観光をすませたら、飛行機でフロリダへ帰るというプランが可能になった。

義母が交代で運転してくれるとはいえ、運転免許とりたてで、アメリカの高速を二日間走るのかと思うと、お守りをいくつ身に着けても足りない気分だった。

でも、友人たちはみな口をそろえて言った。
「何いってんの。高速は簡単よ。危ないのは街中。」

 

荷物の積み下ろし業者について

 

荷積みのフロリダ州側は、大成功!

ついにUHAULのサイト内の荷物の運搬だけを手伝ってくれる人を頼めるサイト(Moving Help)を利用した。

物の取り扱いに神経質な夫は反対したが、フロリダの友人たちの勧めでトライした。

ヒスパニック系のキン肉マンのお兄さんと、おじさんの登場。その名も Sunshine Mover 。お兄さんがひたすら箱を運び、おじさんがトラック内で積める役。道具、機材とかも持参してきた。

積み方もうまく、20 feet のトラックがいっぱいになったが、すべてを積み終えた。とても感じがよかった。

お兄さんが、気さくな義母のことをとても気に入って、何回もハグをしたのだが、あとで義母曰く「すごい腕力で、胸がつぶれるかと思ったわ。」
確かに、いい体格をしていた。

しかし、、、、

荷下ろしのミズーリ州側で、問題勃発

はじめての場所なので、アパートの人がよく使う運送会社 You Move Me に直接電話をして頼んだ。地元の評価は高い。そして、料金も高かった。が、イマイチ。

なぜなら、

予約時間に来なくて、数時間も待たされた。理由は、午前中の引越が長引いたから。行ってみたら、まだ箱詰めをしていた状態だったという。よくある話だ。
教訓:引越の依頼は、なんでも朝一番を頼もう!)

幸い、2時間強で荷下ろしがおわった。もし4時間もかかっていたら、次にドックの予約を入れていた人から、絶対に文句を言われたと思う。

いずれにしても、人に頼むと楽。
評価のいい会社を使えば、大丈夫なようだ。
もっと前から使えばよかった。

 

ミズーリ州カンザスシティー  ©William Ash

さて、今回の引越でかかった費用は、

1.UHAULトラック

20 feet のものを、5日間レンタル(1486マイル込み)して、1032ドル。これにSafemove というトラックにかける保険が 98ドル。合計で 税込みで1217ドル

 

2.荷物の積み下ろしにかかった費用は 667 ドル


・UHAUL のサイトを通じて頼んだフロリダ州側は、二人で3時間雇って178ドル

・運送会社に直接依頼したミズーリ州側は、二人で3時間 で489ドル(機材料金 99 ドルを含む)。

ミズーリの方は、機材料金など加算してきてかなり高め。次回からは、UHAULを通して依頼する。特に、荷下ろしは、荷積みに比べてずっと楽な作業で、時間もかからない。

 

3.トラックのガソリン代は、 351ドル(1ガロン 2.7 ドル)。

 

ここまでの引越費用、2235ドル。

 

他には、雑費として、プリウスのガソリン代 87ドル(1ガロン 2.7 ドル)、2泊分のホテル代や食事代、義母の飛行機代などがかかった。

 

次の Part 6 をみればわかるが、

今回の引越は、かなりコスパがよかった。

しかし、

これも大型家具がなかったからこそできたことだった……。

Part 6 につづく。

カンザスシティ © William Ash

アメリカ国内の引越 ~ Part 4 北端から南端への引越

引越4回目 メイン州からフロリダ州へ

 

2017年、メイン州の家を売って、フロリダへ引越した。米国の北東端のメイン州から、その南端のフロリダまでの移動距離は、およそ 2414 km(1500 miles)。

車で、およそ22時間。東京ー大阪間が高速で約 500 km だから、5倍近く。大移動だった。

メイン州の海 ©William Ash

ここでまた、問題再発……

私が車の運転ができないので、トラックをレンタルしても、プリウスで犬といっしょに、夫の運転するトラックの後をついていくことがきでない。

それで、再び業者を雇うことを考えた。

しかし……

噂には聞いてはいたが、見積もりをとってみれば、どこも10.000ドルを超えて、びっくり。しかも、トラックを途中で替えて、荷物の入れ替えがある。

日本からアメリカ東部のニューハンプシャー州まで引越すとき、コンテナ1台分を船便で送り、13,000ドル払った。この時は梱包もしてくれ、かつ巨大な太平洋を横断したので、もっともな値段。

だから、メイン州ーフロリダ州間の運送代だけで、10,000ドルを超えてくることに、納得できない。しかも、アメリカの業者。

彼らのサービスに、それほどの値打ちがあるか?

日本の質と比べてしまうと、出口のない葛藤がはじまる。それは、スタバにいっても同じことだが…。

家の私道にとめたトレーラー。いつでも出せるように、プリウスはトレーラーの前に移しておいた。  ©William Ash

そこで初めて
トレーラーによる引越を選択。

そして結果は?

時間的にも、経済的にも、精神的にも
ベスト!な引越となった。

 

これは、Freight Movingというもので、トレーラーをレンタルして家までもってきてもらい、それに荷物を積めば、あとは業者の人がまたきて、引越先へ運んでくれるという方法。

私たちが採用したのは、

U-Pack の U-Pack Moving Trailer サービス。

同様な引越サービスをしているところは、他にもある。このサイトに比較があるので、参考にしてみるといいと思う。

他に、コンテナによる引越も考えた(各社の比較表はこちら)が、コンテナひとつでは小さすぎて、ふたつ必要になり、かえってトレーラーよりも高くついた。

また、当時はメイン州でコンテナ、トレーラーのサービスをやってくれるところは、この U-Pack しかなかった。これが、田舎の弱みだなぁ。

 

トレーラーによる引越の注意点

 

1.巨大なトレーラーを数日とめておける私道や駐車場が必要

2.たいていは3~10日ぐらいでトレーラーは引越し先に到着するらしいが、こちらからは期日を指定できない。

3.盗難。
会社によっては、途中で荷物を積み替えて、他のトラックに移す。または、同じコンテナの余った部分に、他の荷物を積んでいく。

それだから、安い運送料が可能になるわけだが、その積み替えの途中で、高い絵画が盗まれていたり、物が壊れていたり……という被害を聞いたことがある。

ただ、こうした被害は、荷物の入れ替えがある限り、トラックでもトレーラー、コンテナでもある。

 

でも、私たちの場合、U-Packに 問題はなかった。

なぜなら、

(1)メインの家にもフロリダの家にも、トラックを止めて置ける場所があった

(2)トラックがフロリダにいつ到着しても、生活に支障がなかった

(3)トラック内の余った部分には、同方向に輸送が必要な商業用品だけをつんでいく。他の人の引越荷物ではない

(4)途中で、他のコンテナやトレーラーに荷物を移し替えるようなことがない ← これは大事。

(5)板の頑丈なドアを、自分たちの荷物と、追加に乗せていくであろう荷物との間に取り付け、そこに自分たちの鍵をつけられ、その鍵を自分でキープできるので安心。リンクには、ドアの取り付けビデオもある。

クリックしてBulkhead_Instructions.pdfにアクセス

 

他にも、以下の点で助かった~。

(6)荷を積むのに3日間、下ろすのに3日間くれ、延長も可能なので精神的に楽。ここらへんは、かなりアバウトだった。

(7)料金計算が親切。たとえば、最初にトラックの縦 20 feet 分を注文したのに、実際に荷物をつめてみたら、13 feet や 25 feet だったら、あとから差額分を払い戻してくれたり、追加で支払えばいいだけ。

ここにFAQ(よくある質問)ので、参照してみるといいと思う。

 

メイン州にトレーラーが到着した日

商業用品を運ぶだけあって、高速でみかけるあの巨大なトレーラーが運ばれてきた。これを狭い公道においたら、苦情が出るにちがいない。私道があってよかった。トレーラーの大きさはここをクリック。上の写真も参照。

引越し当日まで、夜を徹してトレーラーに自分たちで荷を積めた。
家具は、家の買い手にあげたり処分したので、予約時に20 feet 分を借りたが、実際には16か17 feetしか使わなかったので、予約時よりも安くなった。

引越の当日は、家の受け渡しの契約で、忙しかった。
トレーラーは、運転手が午後に引き取りにくるというので、家の買い手の許可を得て私道(ドライブウェイ)においたままにして、私たちはフロリダへと犬をつれて出発した。

 

フロリダにトレーラーが到着

私たちが到着した3日後ぐらいだった。その間、U-Packとは何回か連絡をとりあった。

フロリダは暑くて、早朝か晩にしか動けなかったので、3日間かけてダラダラと荷を下ろした。時間的余裕があって助かった。

そして、予定日にトレーラーはお迎えのトラックに繋がれて、消えた。

 

さて、U-Pack への支払いはいかに?

全て込みで、

およそ3600ドル。

 

これに、フロリダまで2泊したホテル代や食費、ガソリン代などを追加すると、

全合計で4200ドル

 

Part3 と比べれば、なんて感動的な数字。

U-Pack での引越は、本当に楽だった。

 

しかし、

このあとの引越にはこのシステムを使えなかった。

アパートへの移動だったから…。

アパートへの引越がいかに面倒であるかを、次回の引越から学んだ。

いや~、引越って、いろいろありますね。

フロリダの夏の空 ©William Ash

 

アメリカ国内の引越 Part 1 ~ 州から州への321キロの引越

6回のシリーズに分けて、
6回ほどアメリカ国内を引越をした経験をお話します。

短距離、超遠距離、いろいろあります。

トラックをレンタルしたり、運送業者に頼んだりと、
6回ともやり方を変えてトライしました。

日本とは、かなり事情がちがいます。
引越予定の方々、ご注意、ご参照あれ!

 

引越した家の庭の野花たち。ひと夏、芝刈りをしなかったら、野花の園が現れた。 ©William Ash

 

 

1回目ニューハンプシャー州からメイン州へ

2007年1月に、ニューハンプシャー州(NH)からメイン州(ME)のJ町まで、車で3時間半の引越をした。前日にかなりの雪が降ったので、ピリピリ、冷や冷やしながらの引越だった。

距離にして、321キロ (200マイル)。参考までにあげると、東京から名古屋まで高速で352 km。

荷物は、日本からの段ボール150箱、家具はソファ、テーブル、ロッキングチェア、カードテーブルぐらいだったが、大きめのUHAULの20フィートのトラックをレンタルし、夫が運転した。2~3部屋もあるアパート向きのトラックだったが、余裕をもって荷を積めたので、大きめのトラックをレンタルしてよかった。

アメリカでは、引越や修理は自分でやるのが当たり前らしく、夫の家族が荷物の運搬を手伝ってくれた。70代の義母と義父、50歳の義姉。みんな私たちよりも年をとっていて、ヨボヨボチームのように見えた。

しかし、アメリカ人を侮ってはいけない。義父は、20代に4年間海軍にいたことがあり、慎重190センチでみごとな体格をしていて、1月の極寒だったのに、トレーナー姿でやすやすと箱を運んでくれた。

あの時は、その頼もしさに感動したが、5,6数年後につぶやいた。
「人生の中で、あんな寒い思いをしたことはなかったなぁ」

 

UHAULのトラックを選んだ理由は

(1)他にもトラックのレンタル会社はあるが、UHAUL のは、後部扉(tailgate)の位置が低く、荷積みがしやすい。もちろん、トラックにスロープもついている。大型免許なしでOK。全米中に支店があるので、トラックのピックアップとドロップオフ(返却)がとても楽。

(2)引越日の変更、延長の融通がきくこと。NH州、ME州ともに、冬は雪嵐がきて、移動が突然にできなくなる。引越業者に頼むと、変更料に加えて、延長のための保管料の請求など、何を追加されるかわからないし、キャンセルの恐れもある。

きっちりとした日本文化で育った私にとって、引越のストレスを最小限にするための方法は、ともかくレンタル期間、トラックの大きさに余裕を持っておくことだった。

「ギリギリ」「あとでなんとかしよう」的な、アクシデントもチャレンジとみなして突っ込んでいくアドレナリンジャンキー的なアメリカ文化にはついていけない…。

 

さて、かかった引越費用を、
2021年2月のレートで再計算してみよう。

 

1.トラックレンタル料:
UHAULのサイトでピックアップとドロップオフの場所を入れると、2日間のトラックのレンタル料が319ドルと出る。 これには、2日間のレンタル基本料金と234マイルの移動料金を含まれている。走行距離が234マイルで、かつ2日以内に返却すれば、たった319ドルでいい。

でも、時間の余裕をもたせたかったので、3日間レンタルした。延長料は1日40ドルなので、合計で359ドルとなる。

3日間レンタルしたが、走行距離は234マイル以内なので、移動距離の追加料金はなかった。もし超えていたら、1マイル 当たり 0.4ドルの移動料金が、さらに加算される。追加、延長料金については、こちらのUHAULのFAQを参照。

2.ガソリン代:
この手のトラックは、マイレジがひどい。1ガロンあたり、10マイル(1リットルあたり、4.2キロ)。ME州まで200マイルだったので、ガソリン代は、今現在の1ガロン 2.7ドルで計算すると、およそ54ドルかかった(当時はブッシュ政権で、もっとガソリンがもっと高かった)

また、トラック返却時には、ピックアップ時と同量のガソリンを入れて返す必要があるから、さらに54ドルが必要となり、ガソリン代の合計は、108ドル

3.保険:
UHUALのレンタルのときは、保険の加入をすすめられる。現在の私たちの引越の最低保険料は、42ドル + 追加の1日分(たぶん21ドルぐらい)。予想外の経費だが、絶対に加入しておいたほうがいい。

というのも、私たちが借りたトラックの左のドアは最初から開きにくく、それがメイン州に着いた時には、開かなくなるほど壊れていた。保険にはいっていなかったら、何を言われたかわからない。

ともかく、借りたときに、すぐにトラックをチェックしておくことをすすめる。

 

よって、UHAUL による引越費用は、

509ドル

3度目、6度目の引越に比べれば、雀の涙ほど…。

 

(その他の費用)

・他にも私たちのプリウスのガソリン代、引越当日のホテル代や外食費

・税金と箱、引越用具。キャスターつきのドリーや、トラック内で荷物がずれないようにするラチェット、ストラップ、ネット、家具にかける毛布などを購入、またはレンタルした。詳しくは、UHAULのサイトにて。

こういう雑費が予想以上にかかったが、引越以外にも使えるので、購入価値は大あり。とくにラチェットとストラップは、車の上にカヤックなど大きな物を固定するのに、とても役に立つ。長い目でみれば、買った方がお得。

 

UHAULトラックの引越は、
経済的にも、精神的にも、かなり楽だった。

ただし、若ければこそ……のこと。

Part 2 につづく……。

Part 1のこぼれ話もあるよ!