ワシントンDCの風景 ~ 693,000 本の白い旗

©William Ash

10月4まで、ワシントンDCのワシントン・メモリアルの周りには、コロナで亡くなられた人を追悼する白い旗が並べられている。合計死亡者数と旗の数が合うように、日々、旗を足している。追悼に訪れる人も、後を絶たない。

私たちが訪れた水曜日の死亡者の数は69万3000人だったので、それに近い数の旗が芝一面に、広がっていた。数字を旗として認知して、あらためて死亡した人の数の多さに驚かされた。白い花の海だった。

これを、データ・ビジュアライズというのだろうか。

旗の中には、追悼の言葉が、家族や知人によって書かれたものもある。風になびいたとき、「ママ…」「パパ…」「おばあちゃん…」「ミス…」という言葉が視界に入ってくると、心が痛んだ。

コロナは収束に向かっているというけれど、アメリカでは毎日およそ2000人が亡くなっている。今日の10月1日金曜日現在では、69万7988人。

ただ、不思議でならない。義務ではないが、まわりでジョギングや散歩をしている人たちが、全くマスクをしていない。この旗の海が視界に入っているはずなのに、どういうことだろうか? まさにサバイバー・バイアス。

子供たちはワクチンを接種していないし、いつ新種のコロナが現れるかわかない。つくづく、同じものを見ても人の反応はそれぞれで、脳内ワイヤリングのちがいを感じた。